ダン・アリエリー教授(行動経済学の第一人者)が定義する「運のいい人」とは?:『アリエリー教授の人生相談室』拾い読み

5月に人間行動学の権威のジョン・ディマティーニ博士の『ブレイクスルー・エクスピリエンス』を受講して、

頭に引っかかるようになっていたのか、図書館で「行動経済学」に関する権威(本では「第一人者」と紹介)と思わしき人の本を発見。

帯に「著者累計15万部!」とあることから、早い人は既にチェック済みであると思いますが、

『アリエリー教授の人生相談室』をパラッパラッといった具合に拾い読み。

寄せられた質問にダン・アリエリー教授が回答する形で進められており、目次の最後の方で

「運がいい人って本当にいる?」

と質問された項目を発見。

先日、脳科学者の中野信子さんの『科学がつきとめた「運のいい人」』を読み終えていた矢先で

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<< 2016年7月4日投稿:画像は記事にリンク >> 中野信子さんに学ぶ、運がいい人たちに共通していること:『科学がつきとめた「運のいい人」』読了記

「タイミングいいなぁ(笑)」と。

さっそく当該ページを開いて、一読・・

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『アリエリー教授の人生相談室』p238

以下 ⤵︎  その回答

行動経済学からみた運がいい人とは?

” 幸運に恵まれた人はたしかにいるが、それはルーレットで大金を当てるような幸運じゃない。

運のいい人はいろんなことをしょっちゅう試していて、頻繁に試す分、成功することも多いんだ。

たとえば、一〇〇%確実なときにだけシュートするバスケットボール選手がいるとしよう。

彼はこの戦略で、一試合につき三ゴールずつ確実に決める(三シュート x 一〇〇%の確率)。

さてこれを、成功率は五〇%だが、毎試合三〇回シュートする選手と比べてみよう。

二人めの選手はこの戦略で、毎試合一五ゴール決める(三〇シュート x 五〇%の確率)から、ずっと多くの得点を稼げるだろう。

それに、人生はとても重要な点でバスケットボールとは異なる。バスケットボールの結果は白黒がはっきりしている。

シュートは入るか、入らないかの二択しかない。でも人生の決定は、たいてい何段階にも分かれて行うから、そのつど何かを試して、どうなりそうかをたしかめられる。

たとえば何か新しいこと(デートに行く、新しいものを食べる、新しい仕事の面接を受けるなど)にトライして、自分の関心や能力に合っているかをたしかめてから、それを追求すべきかどうかを決められる。

つまり運のいい人っていうのは、何かを試す回数が多いだけじゃなく、うまくいかなさそうな道をすばやく切り捨てて、有望な道に力を注いでいるんだね。

そんなわけで君にどんなアドバイスができるだろう?

一つには、人生はある程度は数当て賭博のようなものだから、いろんなことをしょっちゅう試すといい。

そしてもう一つ、すべての選択肢をいつも検証して、脈がないものはさっさと切り捨て、よりよい選択肢を追求するための時間をつくろう。”(p239-240)

というもの。

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因みに、下掲の動画は今回のテーマとは異なりますが、講演が複数Youtubeにアップロードされており、

会場の雰囲気からすると・・

ダン・アリエリー「仕事する意義」(TEDxAmsterdam) 

ダン・アリエリー教授の人気、相応である様子。研究内容が評価されてのものでしょう。

「何だか、上手くいくなぁ」という感覚

前日の投稿 ⤵︎ で、

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<< 2016年7月5日投稿:画像は記事にリンク >> 高田文夫さんが綴った「人気」という不確かなものに人生丸々捧げた五十九のストーリー:『高田文夫の大衆芸能図鑑』中間記

故立川談志師匠が、生前好んでいた引用していたという

「努力とは馬鹿に恵(あた)えた夢である」

という言葉が妙に引っかかってくる自分としては、ダン・アリエリー教授の回答は

「試してみたときの感覚、フィット感を大事にせよ」といったニュアンスで読み取りましたが、

皆さんは、いかように感じられたでしょうか。また、本書の内容から興味深いところがあれば引用してみようと思います。

 


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