オーストラリアの頭脳派集団が提言した日豪関係
” オーストラリアと日本の関係は、両国の自由貿易協定(FTA)から大きく一歩踏み出し、「総合的な経済連携」に発展させる必要がある――。
オーストラリア政府の豪日交流基金(AJF)の委託で、民間シンクタンクのオーストラリア・アンド・ジャパニーズ・エコノミック・インテリジェンス(AAJEI)の創設者であるマニュエル・パナジオトポロス氏らが報告書で提唱している。
同報告書では、日本のオーストラリアに対する直接投資額が860億豪ドル(約6兆6,582億円)に上り、英国を抜いて米国に次ぐ2位の規模に躍り出たと説明。
貿易や直接投資、資産運用投資、戦略的・制度的連携を通じ、両国が互いに関与を深めるべきだとしている。
新たな投資関係としては、第三国での事業機会の模索を挙げた。例えば、オーストラリア子会社の醸造・乳製品大手ライオンが、親会社であるキリンホールディングスがアジアに持つ販売網を利用し、輸出を拡大することが可能だとしている。
同様に、日本郵便は、傘下に収めたオーストラリアの運輸大手トール・ホールディングスに対し、アジアを含めたグローバルなロジスティクス網の拡張のための資金を提供していると述べた。
また過去数年間で、小売りチェーンのユニクロや無印良品(MUJI)、住宅建設の積水ハウスや大和ハウスなど、日本からの直接投資が不動産や資源、農業にとどまらず、幅広い分野に広がっているとした。
同報告書ではまた、三井物産などの商事・投資会社がオーストラリアの産業開発で引き続き主要な役割を占めると指摘。
日本の銀行によるオーストラリア企業への融資も大きく拡大し、世界金融危機によって生じた外資系銀行の市場撤退の穴を埋めていると述べている。”(出典:NNA.ASIA)
日豪関係の在りようが、今回のように企業名を含め具体的な示されたレポートを読んだ記憶は殆どないですが、
アメリカに次ぐ第2位の直接投資額など、日本とオーストラリアのこれまでの関係から未来が端的に示されている興味深い提言であると思いました。