讀賣ジャイアンツの走るスペシャリスト鈴木尚広選手の『Be Ready 〜準備は自分を裏切らない〜』を読了。
出版記念イベント↓に魅力を感じて購入した一冊。
野球選手の本ということで、名場面の回想録や舞台裏話しかと思いきや、自分自身と向き合った内省に力点を置かれた内容で、
殆ど文中に固有名詞が登場することなく、鈴木尚広選手が如何に試合終盤でチームの勝敗を左右する場面で起用され、
シビれる展開の中、首脳陣やファンの期待に応えていけるように心身ともに準備しているかについて、丁寧に綴られています。
成功率100%のプレッシャーを跳ね除ける準備と考え方
その「準備」に関して、例えば読売巨人軍の本拠地 東京ドームでのナイトゲームがある場合、
18:00プレーボールの7時間前に球場入りし、黙々とルーティンと消化していくことであったり、
考え方も
” 不安はマイナス的なものとしてだけではなく、自分を成長させてくれるプラス的なものとしてとらえる。
実際に、気がかりなことがあり、落ち着かない心の状態である「不安」は、その意味通りにマイナス要素であることに違いない。
それでも、不安を受け入れる。
大切なのは、不安をしっかりと受け止めることができる「自分」であり続けるかどうかということだ。
そのためには、ブレない自分の「軸」を作っておく必要がある。自分がやるべきことをしっかりとやり、「100%の準備」をすることが大切だ。
結果がどう転んだとしても、100%の準備ができていれば自分を受け止めることができる。”(p56-57)
といった具合に、自分の在り方を明確にしておくことの重要性が説かれています。
印象づけられる自分と深く繋がる力
6章立てで全部で約200ページ。(第3章)「勝利を導く「思考」と「技術」」、(第4章)「「集中力」を最大限に高める方法」、
といった目次立てで、掲げたテーマがよく云えば多面的に、悪く云えば繰り返しといったように感じましたが、
試合終盤で、鈴木尚広選手が起用される試合の勝負を左右される場面で、10割に近い成功を求められる中、
高い確率で成功を手繰り寄せる努力と心構えが、本書から伺い知ることが出来、興味深かったです。
出版記念サイン会 参加記
それでもって、楽しみにしていた出版記念のサイン会。
現役選手のシーズン中の開催は異例であったように思いますが、
告知後、程なく捌けた100枚の整理券を入手したファン1人1人にサインされ、
内容に含まれていなかった2ショット写真に応えられるという真摯さは、本の内容と相まって心に沁みてきました。
本でも度々出てきましたが、鈴木尚広選手が球場でコールされると、ファンの声援等、球場の雰囲気が変わるまでに至ったプロセス
毎回必ずとはいかずも、その期待を受け止める精神力に、準備を極限まで研ぎ澄ますことで、
上手くいかなかった場合の自分も受け入れる度量に、これも本で度々、出てくることですが、
失敗との向き合い方など、プロ野球ファンならずとも考えるヒントを得られる一冊であるように思います。