9月までのM&A総額、前年同期比28%減
” オーストラリアで今年成約したM&A(合併・買収)の総額が、9月までに14年以降では最低額となる578億米ドル(約5兆8,567億円)と、前年同期比28%減となったことが分かった。
低金利下で買収対象企業の価値評価が難しいことや、投資家からの配当金の増額要求が高まっていることが背景で、企業がM&Aに尻込みしているようだ。3日付地元各紙が報じた。
M&Aにより新規に株式を発行した場合、資本ベースが拡大することで、既存の配当金の維持や増額が困難になるとみられ、企業の役員はM&Aの実施をためらっているようだ。
また、今年9カ月間に計画が発表されたM&A総額も前年同期比31%減の600億米ドルとなり、減少幅は世界平均の20%減を上回った。
このほか、海外からオーストラリア企業を狙ったM&A総額は、同51%減と2005年以来で最低水準となり、オーストラリア企業による海外企業を対象としたM&A総額も61%減だった。
またプライベート・エクイティ企業などによる子会社の新規株式公開(IPO)も56%減と低調だった。
投資家の間では、連邦政府がニューサウスウェールズ州政府の電力公社オースグリッドの権益50.4%の放出について、
安全保障上の問題を指摘して、中国系企業2社による応札を却下したことにより、海外からオーストラリアへの投資機運を阻害していると懸念する声が出ている。
ただ、7~9月期だけでみると、発表されたM&A総額は前年同期比1.3%増の184億米ドルに上った。”(出典:NNA.ASIA)
区切りが2014年以降と短いことに、直近の四半期は上向きとなっているようで、
記事の内容が直ちに何かの懸念を示すことはないと考えていますが、ビジネスシーンのトレンドの一つとして抑えておきたいと思います。