TVドラマ『古畑任三郎』やNHK大河ドラマ『真田丸』など、個性的な役柄を演じ切ることで
お馴染み、俳優の西村雅彦さんの『西村雅彦の俳優入門』を先日読了.-
先週末に参加したイベント ↓
の対象書籍として購入したもので、全体で109ページという分量からサラっと読めました。
但し、書かれてあることは俳優を目指す上での要点なり、心得がコンパクトにまとめられており、
まず、こういった世界を目指す方々に対しては貴重な書と云えそうです。
俳優、そしてコミュニケーターとして
本書に、どのようなことが書かれているかというと・・
” 俳優にとって何が一番大切かという根源的なこと、それは、セリフの言葉を相手に伝えることではないか。”(p14-15)
という大前提のもと、
” 恥ずかしいという自意識があると、観客の前で演じることはできない。観客の前で大きな声を出して意識の壁を破る、
これこそ俳優として人前に立つための重要な基本だと言ってもいい。”(p17)
という俳優としての原則論もあれば、
” セリフにとって大切なのは、一つ一つの言葉だ。言葉をできるだけ発するためのポイントは3つある。
1. 声をきたえる
2. 「言葉のアタマ」を強く言う
3. 「言葉のオシリ(語尾)」を伸ばさない
この3つの基本を押さえた上で、「誰にこの言葉を届けるのか」を意識すると、しっかり相手に伝わる。
また、セリフはキャッチボールなので、相手に伝えたら今度は相手の言葉をしっかり「聞く」ことが大切だ。
・・中略・・
伝えるということは言葉を渡すことで、渡した言葉に対して相手が返してきた言葉を受け取ることだ。
このやり取りがあってこそ、「伝える」が完成する。”(p23)
俳優に限定されないコミュニケーションの要諦についても示されており、
本書で想定されている読者は私のような一般人も含まれているものと感じた次第。
理論にとどまらない実践編も収録
一般的なコミュニケーション本と一線を画するであろう点は、「声」を活かすエクササイズ(ex. 発声練習)など
学びを実践↓出来る内容にも分量(ページ)が割かれており、
「俳優」が切り口となってコミュニケーションが展開されている点は、(類書を知らないこともあり)独自性があるように感じました。
上述の本書刊行記念トークショーの後半の質疑応答で、西村雅彦さん個人にフォーカスした役者魂的なお話し聞かれたので
是非、そこに焦点を合わせた本の出版も期待するところです。