イギリスとの関係
” 1788年に初代総督だったアーサー・フィリップがシドニー湾に上陸した日から正式にオーストラリアは英国領になったと言ってたよね。
そこから長らく植民地時代が続いた後、1901年に自治が認められて、実質的に英国から独立したんだ。その後、1986年にオーストラリア法が制定されて、司法的にも独立したんだよ。
だから、今では英国から完全に独立しているわけだけど、実は今でもオーストラリアの国家元首は、英国のエリザベス女王なんだよ。
独立国家でありながら、英国のエリザベス女王が国家元首であることに反対する声もあったんだ。
そのため、オーストラリアでは1999年に、立憲君主制から共和制に移行する事を問う国民投票が行われたんだけど、
結果は反対が多数で否決されたんだよ。だから、今でもエリザベス女王が、オーストラリアの国家元首となっているんだよ。
次にオーストラリアと英国の経済的な結びつきについて見てみよう。20世紀半ばまで、オーストラリアの最大の輸出相手国は、英国だったんだ。
英国以外にも、欧州からの移民によって国が成立してきた経緯から、ほかの欧州の国々とも経済的な結びつきが強かったんだ。
しかし、1973年に英国がEC(欧州共同体、後のEU)に加入したことをきっかけに、アジアへ輸出先の転換を図ったんだ。その結果、英国への輸出額は大幅に減少したんだよ。
その後は、下のグラフの通り、中国や日本との結びつきがますます強くなっていったんだ。英国がECに加入したことが、
オーストラリアが地理的に近いアジアとの結びつきを強めていったきっかけだったんだね。”(出典:Invesco オーストラリア投資情報から抜粋)
見方を変えると、英国をはじめとする欧州諸国と、日本、中国をはじめとするアジア諸国と、
バランスこそ推移すれども、独自の(強い)関係性を歴史的に築いていることがオーストラリアの強みといえる思います。
TPP合意へ向けたリーダーシップなど、
地理的な視点では孤立してしまう懸念もあり、政治経済の分野などで他国へ仕掛けていく姿勢というのも、またオーストラリアですね。