ターンブル首相、国民に経済的厳しい時期の到来を警告
” オーストラリアのターンブル首相は1日のキャンベラでの演説で、有権者が政権に対する不満を示す状況で、経済的により厳しい時期が今後待ち受けていると国民に警告する。
ターンブル首相は「わが国は経済成長が続いた過去25年間は良好な状態が継続してきたが、オーストラリアの多くの地域の状況はそれほど順調でなく、雇用が減り、将来の見通しも従来ほど明るくないというのが現実だ」と訴える。
首相はまた、環太平洋連携協定(TPP)からの米国の離脱にもかかわらず、自由貿易による恩恵を強調し、「インドやインドネシア、欧州連合(EU)と現在進めている交渉や、やがて行われる英国との交渉を通じて、われわれが輸出市場の拡大に向けた取り組みを続ける理由はそこにある」と表明する。
昨年12月に公表された世論調査結果によれば、最大野党の労働党と与党保守連合のどちらを支持するかとの質問で前者の支持率が52%となったのに対し、後者は48%にとどまり、ターンブル首相自身の支持率も41%と2ポイント低下した。”(出典:Bloomberg)
一国の政治的指導者として、このような内容を発信することに眉をひそめてしまうところもあり、
不人気に対する意趣返しと捉えられるであろう反面、現状が平時(好景気?)だからこそ引き締めの意図もあってのことでしょう。
世界諸国が軒並み打撃を受けた世界金融危機(2007年)、リーマン・ショック(2008年)においても経済成長を実現した
オーストラリア経済の真価が、近未来、問われる局面を迎えることの腹づもりは必要なようです。