「スモールビジネスの国」オーストラリア ①
” かつて英国を「商人の国」と呼んだナポレオンなら、オーストラリアを「スモールビジネスの国」と呼ぶだろう――。
豪政府統計局(ABS)の2016年6月の統計から、オーストラリアの零細企業が2年間で約5%増加したことが分かった。オーストラリアンが伝えた。
ABSの統計によれば、従業員数1~4人の零細企業の数は、14年6月の57万1,674社から昨年6月には59万9,392社に増加。
従業員を雇用していない個人事業主は同期間で4%増の131万8,568人に上っている。
これに対して従業員5~19人の小規模企業は1%減の19万8,655社、20~199人の中企業は1%減の5万808社と落ち込んだ。200人以上の大企業は4%増の3,774社となっている。
ABSの統計は企業納税登録番号(ABN)とオーストラリア国税局(ATO)のデータを基にしていることから、ABNを所有している自己管理型退職年金ファンド(SMSF)も含まれているが、
SMSFの大半は従業員のいない個人事業主のカテゴリーに入るため、従業員1~4人の零細企業の統計は基本的に実態を表しているとみられる。
中小企業のデータは、地域の変化も示している。従業員数1~4人の零細企業は、全国平均では2年間で5%増加しているが、30の地域では増加率が30%以上に達している。
零細企業は、業種別では教育・職業訓練と不動産サービスが10%以上の伸びを示している。
建設、専門サービス、芸術関係、娯楽、金融サービス、ホテル、食品は7~8%増となっている。”(出典:NNA.ASIA)
「スモールビジネスの国」と称されるのは、人口2,400万人強という国内マーケットの規模、
五大都市に人口が集中し国土の割りに居住エリアが限られるなどの点が、事業規模に対して影響を与えているのだと思います。
自身でビジネスを手がける、ビジネスオーナーが多いという実態の裏側で問題も露呈しているようなので、次回に続けます。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所