先日、読了記↓をアップロードした
森本稀哲さん(元 北海道日本ハムファイターズ他)の『気にしないで。』の中に、
読了記を書いている時は全体量等との兼ね合いから割愛してしまったものの
お気に入りの箇所があって、それは↓「つらくても、「ほんのちょっと」が差をつける 」と題された項目で・・
“「キツい。だいぶがんばったし、ここまでにしておこう」そう思った瞬間からが、本当のがんばりどきです。
僕がそう思うようになったのは、高校1年生の冬休みに、帝京高校野球部の年越し合宿に参加したときの経験がもとになっています。・・中略・・
前田監督の方針によりフィジカルトレーニングに重きが置かれ、通常の練習のほかに、ウェイトトレーニングが週に2回、水泳トレーニングが週に最低2回ありました。
監督はこの年、練習量日本一を掲げていたほどです。ですから、入部したばかりの1年生と、トレーニングを乗り越えた3年生とでは、大人と子どもほどの体格差が生まれます。
年越し合宿では、下半身の強化を目的とした、海岸での砂浜走りがありました。
片道10キロメートル、一直線の海沿いを往復する合計20キロメートルの砂浜走りは、日頃から走り込みをしている野球部員にもキツいものです。
柔らかい砂に足を取られてしまい、グラウンドで走っているときとは比べものにはならないくらい、激しく体力を消耗してしまうのです。
みんな一緒にスタート。長距離が大嫌いな僕でしたが、「後ろはよくないな」と、だいたい中くらいの位置をキープしていました。
走り始めてしばらくすると、自分の前方で歩き出してしまう部員が現れました。
「しんどいもんなぁ、一緒に歩いちゃおうかな」
そう思ったことは一度や二度ではありません。ここでがんばったから、「すごい!」なんて話をするわけでもありません。
一直線の砂浜では、前にいる部員との距離の差が見えていましたが、普段の練習となるとライバルや対戦チームとの差ははっきりとは確かめられません。
走っていた場所は、見通しのいい砂浜です。前にいる部員とどれくらい離れているかがわかりやすく、走っていれば距離が縮まっていくのも実感できて、「がんばってみよう」と思えたのです。
そのときのスピードは、蚊よりも遅く、歩くよりもちょっと早い程度でした。
でも、走り続けていると、徐々に前を歩いている部員との背中が近づいてきます。気づけば僕は彼を追い抜いていました。
この後も、僕はゆっくりとでしたが、走り続け、何人もの部員を追い抜いて20キロメートルを走りきりました。
「たとえ速くなくても、走っていれば前に出られるんだ」
それは僕にとって大きな気づきでした。”(p70)
本では更に(学びの)続きが紹介されていますが、ご興味のある方は、是非本を手に取り参照されて下さい。
他の本、著名人などがお話しされていることでも、結果が出ないことに対して多くの人が我慢し切れず、
続けていれば、成果を実感出来たであろう教訓は様々共有されていますが、
その教えを再確認し、また「たとえ速くなくても」は印象に残る表現で、今一度、心に留めておきたいことでした。