2017年の10大ニュース
” 今年(註:2017年)のオーストラリアは、政治や経済、社会が抱えるさまざまな矛盾が噴出した年だった。
本来議員資格がない、二重国籍を持つ議員が次々に明らかになって政界が大混乱に陥ったり、資源大国にもかかわらず国内のエネルギー資源価格が高止まりし、
電力価格が高騰して産業界が悲鳴を上げたり、外国人人材の活用を急速に縮小させようとビジネスビザの規制強化に着手したり。
それらすべて、この国がこれまで改革を怠ってきた構造的矛盾だったと言えるだろう。
だが経済成長だけを見ると好調で、国内総生産(GDP)のプラス成長期間は世界最長を記録した。
ただし、中国系投資に頼っていた不動産価格は頭打ちで、個人消費も低迷し、家計の債務割合も危険的水準にまで高まっているのを見ると、来年の経済見通しは楽観してもいられない。
ターンブル首相率いる与党の支持率も、野党労働党を下回る状況が続いており、このままでは次に総選挙が行われた場合、労働党に政権を明け渡してもおかしくない状況だ。
【オーストラリアの10大ニュース】
【第1位】二重国籍問題、豪政界を席巻
【第2位】電力問題深刻化、新エネ政策で意見対立
【第3位】豪で同性婚合法化
【第4位】457ビザ廃止、産業界が大混乱
【第5位】アマゾン豪進出、揺れる小売業界
【第6位】豪、自動車生産の歴史に幕=トヨタなど撤退
【第7位】LNG輸出制限の枠組み策定、発動は回避
【第8位】日豪都市を結ぶ直行便が続々
【第9位】大手銀行税を導入、WA州も追随へ
【第10位】WA州とQLD州選挙で労働党が勝利 “(出典:NNA ASIA)
NNA ASIA選出の10大ニュースで、私個人は世論を二分していた
同性婚の合法化も、オーストラリアにとって大きなニュースであったと思います。
2018年は蜜月関係にヒビが入ってきた感の対中関係が、大きな焦点になりそうですね。