落合陽一さんに学ぶ、停滞に終止符を打ち、戦況を好転させる日本再興のグランドデザイン:『日本再興戦略』中間記

「現代の魔法使い」との異名を持ち、教育分野に、ビジネスに、アートなど特定のカテゴリーに捉われることなく、

幅広い分野で才能を発揮されている落合陽一さんの新著『日本再興戦略』を読み始め

 第1章 欧米とは何か

 第2章 日本とは何か

 第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか?

 第4章 日本再興のグランドデザイン

 第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)

 第6章 教育

 第7章 会社・仕事・コミュニティ

と、全部で7章あるうちの第3章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

日本の現在地、志向すべき未来

落合陽一さんと聞くと、ベクトルが未来に向かっているイメージが強いですが、

本書では

” 今の日本は、自虐的な批評に飽きて自信を喪失している気がします。そこで過度に自信をつくろうとして、内部的には「日本はすごい」と自画自賛するコンテンツばかりになってしまっています。

日本が自信を取り戻すためにまず大事なことは、「過去において日本は根本的に何がすごかったのか、何がすごくなかったのか」について我々の常識を更新しながら考えることです。”(位置 No.89/電子書籍のページ数)

” 日本は国策によって急激に近代化を果たした国です。明治時代以降に我々が手本にしたのは、いわゆる欧米型といわれる欧州型と米国型でした。

明治維新では、主に欧州型を手本にして、1945年以降は、米国主導で、戦勝国型を手本にして国をつくってきました。

この欧州型と米国型が合わさって、「欧米」という概念になったわけですが、それをもう一度見直してみるのもこの本の趣旨です。”(位置 No.111)

とここまで読むと、本のタイトルも腹落ちしてきますが、一旦、ほつれた糸をほぐして、

日本が本来持っている良さを如何に発揮させていくことが本書の目指すところであるものと。

選択出来るコミュニティ

前半で印象に残ったところでは、

” これからの本質的な問題は、「我々はコミュニティをどう変えたら、次の産業革命を乗り越えられるか」ということなのに、「どの職業が食いっぱぐれるのか」という議論ばかりをしているのです。

そうした「AI脅威論」は、西洋の個人主義の文脈において出て来るものですから、本来の日本人がそうした問いに振り回される必要はありません。

これから日本が東洋的な感覚を土台にしてテクノロジーを生かして行くためにも、まずは西洋的個人を超越しなければならないのです。

一人がひとつの天職によって生きる世界観に我々はもともと住んでいませんでした。百姓とは100の生業を持ちうる職業のことです。

・・中略・・

西洋的思想の根底に流れるものは、個人が神を目指す、全能性に近づいていく思想です。

人間はどこまで行ったら最強の個人になれるか、神になれるかという勝負です。つねに神と対峙し、神に許しを請う思想です。

それに対して、東洋的思想とは、一言でいうと、自然です。日本人は、どこまで行っても自然の中にある同質性・均質性にひもづいています。

森の中から出てきて、律令の「近代政策」をとって前近代化を行ったかと思えば、今度は再び伊勢神宮のようなシステムを持ちうる。

自然のエコシステムとの距離感を保ちながら暮らしていくという思想です。”(位置 No.516-530)

” 今の日本が楽しくないのは、オープンな村の数が少ないままに、各人が個人化して孤独になっているからです。

一時、ノマドがブームになりましたが、ノマドと言っている人たちの多くも寂しい人たちです。

そこの受け入れのためにシェアオフィスがある種のコミュニティのようになっているのは合点が行きます。

これからの日本に大事なのは、いろんなコミュニティがあって、複数のコミュニティに所属しつつ、そのコミュニティを自由に変えられることです。

どのコミュニティを選ぶかは本当に人それぞれです。家族を基盤にしてもいいし、会社を基盤にしてもいいし、地域コミュニティを基盤にしていいいし、趣味を基盤にしてもいい。

ひとつのコミュニティに依存するのではなく、いろんなコミュニティに依存すればいい。

そういうふうになれば、日本人の生活や仕事はもっと楽しくなるはずです。ですから、この感覚を共有できる地域経済をつくり出していかなくてはなりません。

そのためのビジョンの共有と教育が必要なのです。”(位置 No. 605-614)

といったところ。

蓋然性の高い未来を感ず

本文の中では神話からの引用があれば、日本の現状、停滞を招いた要因に、拝金主義の蔓延、トレンディドラマの影響など、

幅広く考察がなされているのが印象的で、時間軸も世界に先駆けて5Gが2020年からスタートする東京のアドバンテージなどなど

既に一冊の本を通じて旅する感覚を得られており、理解できればワクワクするし、理解が及ばなければ不安も感じたり、

引き出される感情もさまざまですが、日本が発揮すべき力、秘めたポテンシャルにフォーカスした内容は

きっと多くの日本人を心を鼓舞するものと、後半も本書で展開される論を楽しみに、ちょっと一足早く近未来に臨場感を感じて見たく思います ^^


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