荻窪に立地するブックカフェ「6次元」店主 ナカムラクニオさんの著書『人が集まる「つなぎ場」のつくり方』を読了.-
ナカムラクニオさんが、先日、『青い日記帳』 主宰の中村剛士さんとのイベント↓を開催された際、
(ナカムラクニオさんの)プロフィール中に確認されたタイトルに「!」となり、後日買い求めていたもの。
先月(2018年7月)読了していた ↓
といい、
イベントを起こす(渦を巻く)、自分と価値観を同じくする人たちとの場を創りたい
といったイメージを増幅させられるタイトルには、多分に好奇心を刺激されています。
6次元で意図されたこと
6次元とはインパクトのある、何やらただならぬ感じの伝わる名称ですが、
“「6次元って何ですか?」とよく聞かれます。
「異次元空間みたいに、いろんな人やものが集まるカフェを目指しています」と答えますが、最初のイメージは、大人の秘密基地でした。
本とアートとカフェが、お互い影響しあった空間が出来たらいいなという思いで始めました。”(p11)
と込められた意図に、6次元で起こされたことなどが綴られていますが、
まず、開業に至った経緯が興味深く、
” 大学を卒業してからテレビの仕事をひたすら続け、ある日、気づいたことは「誰かがやっていることは、自分がやる必要はない」ということ。”(p11)
そして、
” 居心地の良い「たまり場」の法則は・・・
① 人が集まる場所に、人は集まる
② 夢が見られる場所に、人は集まる
③ 良いものがある場所に、人は集まる
④ 安心で快適な場所に、人は集まる
⑤ 自分のためになる場所に、人は集まる
⑥ 自分を認めてくれる場所に、人は集まる “(p67)
或いは、
” 時代は「共有」から「共鳴」へ移行しつつあります。
たとえば「石」をテーマに2時間番組を特集しようとするのは、1億人向けというよりは1,000人向けです。
でも、こういう小さいテーマの方が、尖れるということが、ここ6次元では、はっきり感じることが出来ます。
今はネットワークがこれだけ発展しているから、キーワードで人はつながれる。
人は、言葉エネルギーに誘われ、言葉でつながっていく生きものなんだと思います。”(p122)
” 今は、バラバラになった世界をつなぎ止める、接着剤のような言葉や場所が必要だと思います。”(p143)
といった6次元運営を通じて得られたであろうお考え、指摘にリアリティを感じ、ページをめくるペースも次第に上がっていきました。
” みんな心の中では何かが起きるのを待っている。それならば、自分が事件を起こす側になればいいんです。
人は何か面白いことが起きそうな気配に敏感です。
自分の身に面白いことが起きそうな予感があるものをつくれば、必ず人は面白がってくれると考えます。”(p153)
の一文が象徴的と思いますが、読み進めながら存分にワクワクさせられた一冊でした。
時代に吹く風とプロデュースと
” 極端な話ですけど、6次元のようなフリーイベントスペースが、世界のいたるところにあれば、
就職しなくても自分でイベンを企画して収入を得て生活していけるんじゃないかと考えています。”(p171)
” 世界は、クラウド化して、みんなの頭の中にあるコミュニティになります。
すべての価値観が生まれ変わる中で、カフェは「あたらしいたまり場」として、
みんなの「日常」と「非日常」を。「リアル」と「バーチャル」を、つなぐ可能性を携えています。”( p193)
と、本の出版は2013年秋ながら時代感に沿った読者へのメッセージにといった内容も散見され、
” 正直言って、カフェの経営や、あたらしい「場」をつくって運営して行くのは、経済的にも体力的にも大変です。”(p192)
とラクなことばかりではないものの、
私のように、己が起点となって人と人が出逢うことに喜びを感じたり、「何かやりたい」という思いを抱いている人たちにはヒントなり、背中を押す力を持っている著書であると思います。