ジャーナリスト斎藤貴男さんの『勇気を失うな 心に太陽を持て』を読了。
前々回、読了記をアップロードした三宅勝久さんの『大東建託の内幕 “アパート経営”の闇を追う』
と同じトーク&サイン会👇で入手していた著書。
本書は無差別・平等の医療と福祉の実現を目指す医療機関の団体「民主医療機関連合会」(民医連)の職員向け機関誌「共済だより」に連載されていたコラムが一冊にまとめられたもの。
第1章 マスコミの歪んだ世論づくり
第2章 恐ろしい監視社会
第3章 縮図としての沖縄・福島
特別対談 分断社会と向き合うために ー「いのちの平等」を求めて(斎藤貴男 x 藤末 衛 全日本民主医療機関連合会会長)
書かれていることの一例を紹介すると
” 問題は、こんなものがなぜ、政治家でございとのさばり返ることができるのか、だ。敢えて書く。テレビのせいである。
テレビの、特にバラエティ番組は、12歳程度の知力と感覚に合わせて制作されていると聞いたことがある。
バブル崩壊の頃から加速度的に俗悪化したテレビにどっぷり浸かって育った人々が、そのテレビを食い物にして世に出た、とてつもなく幼稚な者を熱狂的に支持して、天まで舞い上がらせた挙句の地獄絵図。”(p015/政治家の差別発言)
や
” 軽減税率を適用するかしないかの線引きは、とどのつまり「お上」に委ねられる。とすれば適用してもらいたい業界は彼らにへつらう。
これまで以上の汚職にまみれ、傲慢かつ強権的になっていくばかりの政治腐敗が目に見えているから。早い話、対症療法を図れば図るほど新たな矛盾が生じ、人の世の中を狂わせていくのが消費税だ。こんな税制は存在してはならないのである。”(p43/医療機関における消費税の害悪4)
或いは
” すでに可決・成立している刑事司法改革関連法制との連動が恐ろしい。
なにしろ司法取引が解禁された。密告が奨励される社会にあっては、話し合いの内容が微妙であるほど、互いが信じられなくなる。
警察はまだ起こっていない「犯罪」の予防を掲げれば通信傍受(盗聴)がやり放題になったので、誰もがそのターゲットになり得るのだ。
時にストーカーと化した悪質な警察官に盗み聞き・盗み見される女性の増加も必定。”(p96-97/ 浮上する「共謀罪」)
といった具合、舌鋒鋭く、社会の問題点、裏側、知られざる実情等に切り込まれています。
1コラム=見開き2ページ(計59コラム)という分量で、特に 第3章 縮図としての沖縄・福島 の思い、危機感を読み手として強く感じましたが、
何となく報道に接しているだけでは感じることの出来ない、或いは見過ごしがちな現実に目を見開かされる一冊です。