筒井康隆さんが、デビュー作から最後の長編まで、作家活動の軌跡を対談で語った模様が収録された
『筒井康隆、自作を語る』を読了。
先日、タスクを完了させ、ふらっ〜と「何かあるかな」と書店に立ち寄った際👇 サイン本に遭遇。
「これは〜!」となり、即座購入に至っていたもの。
但し、私的に筒井康隆さんと云っても、読了しているのは
2年前(2016)の👆 最後となる見込みの長編『モナドの領域』と、その昔、
『ベトナム観光旅行社』の2冊(である筈)。
(『筒井康隆、自作を語る』)購入後、タイトルとのギャップが気になったものの、本書冒頭に
” 筒井作品をこれから読んでみようという人、筒井作品に取り憑かれてあらかた読み尽くしてしまった人。
日本SF史に興味のある人、すべての人に楽しんでいただける本を目指して作った一冊です。
千変万化の筒井ワールドを探索するガイドブックとして、役立ていただければ幸いです。”(p7)
との編者 日下三蔵さんの一文があり、ホッとしての読み始め ^^
enter the 筒井ワールド
そんな筒井作品初学者の自分的に有効であったのは・・
” 筒井 (中略)『48億の妄想』を、もう五十年ぶりで読み返したんですけど、傑作なんですよ(笑)。
ー これはみんな分かっています(笑)
筒井 こんなもの、今は書けないですよ。”(p25)
といった作品紹介に、
” 筒井 (中略) 『馬は土曜に蒼ざめる』という短編集が出たんですが、そのときの「あとがき」を読んだ編集者たちはびっくりしているんですよね。
「筒井さん、あんた自分が売れっ子だという自覚がまったくない」って。
ー 「馬は土曜に蒼ざめる」は裏表紙の内容説明のところに「マスコミの寵児、筒井康隆の短編集」と書いてあります。
筒井 自分では、そんな気はまったくなかったですね。もう。書くことに一生懸命で。”(p43)
といったエピソードに、(一時)断筆宣言された際の
” 筒井 読者の方は悲愴になるわけだけど、こっちは面白がっていました(笑)。
根本的には、出版社がほっておくわけがないです。書いてくれと言ってくるに決まっているんだけど、その時にどういう条件を出すかということで、名乗り出てくれたのは文藝春秋と角川書店でしたね。”(p123)
或いは
” ー そうした筒井さんの活動の成果が、今回の紫綬褒章につながったのではないかと。
筒井 その話はもうやめましょうよ(笑)。さんざんインタビューされて飽きちゃった。
ー 一部には体制を笑い飛ばしてきた作家・筒井康隆が勲章をもらうとは、という発言をする人もいますが。
筒井 あ、それは完全に誤解ですね。あまり僕の作品を読んだことのない人じゃないですかね。
確かに体制は笑iい飛ばしているけど、僕の場合には同時に反体制も笑い飛ばしているわけで(笑)。その意味では体制派・反体制派という区分自体がナンセンスですね。”(p179)
との件(くだり)から伝わってくる大作家然とした裏話しに、筒井康隆先生360°といった内容で、私的なレベルから全編といえないながらも楽しめる箇所は点在していました。
いざ、筒井ワールド
読み進めながら湧き上がってくる知的好奇心を刺激されるかの感覚は、筒井ワールドの片鱗に触れた思いでしたが、
読了に至ったところで、とりあえず、既述の『48億の妄想』に、
” 筒井 あれはねえ、僕はなかなか理解してもらえないんだけれども、全部ふざけて書いてはいるんだけども、まあ、でも命がけでふざけて書いているわけです。”(p33)
という『脱走と追跡のサンバ』
といったところを入手状況に応じて読んでいこうかなと ^〜^