『人生の勝算』を読了。
昨年(2018年)末、手に取った『メモの魔力』の読み応えから
前田裕二さんの書籍に関心を持って購入。
トンネルの先の光
” この本を書こうと思ったのは、今、不幸や苦境に直面していたり、自分から見える景色が真っ暗だ、という人に、ほんの少しでも頑張る勇気を持ってもらいたかったからです。”(p4)
の一文を含むプロローグから、
第1章 人は絆にお金を払う
第2章 SHOWROOMが作る新しいエンターテインメントのかたち
第3章 外資系投資銀行でも、求められたのは「思いやり」
第4章 ニューヨーク奮闘記
第5章 SHOWROOM起業
第6章 SHOWROOMの未来
という章立てで展開される前田裕二さんのライフストーリーが綴られた著作。
『メモの魔力』を読んでいた際、
「(読者一般の)再現性のハードル高いのでは・・」と感じた部分は、第3〜4章で掘り下げられていて、
懸念は残りながらも、そこにはメンターと慕った先輩からの
” 仕事は、ゲームだ。”(p113)
という助言に素直に従って、
ハードワークとともに人に好かれるべくコミュニケーションを変えていったことからブレイクスルーを遂げたキャリアに学べた点が有りました。
また、
“「僕は、不運や逆境が、むしろ這い上がるためのバネになるということ、そして、正しい努力が必ず報われるということを自らの人生を通じて証明したいと思っています。」”(p60)
前田裕二さんの幼少期を過ごした環境から得られた原動力に、
” いつ死ぬかわからないのだから、生きているうちに新しい価値を創出したい。僕が死んだ後も、世界の人たちに幸せや付加価値を提供し続けられる。
影響を与え続けられる何かを生みだすことに、エネルギーを投じたい。”(p138)
と人生の転換期にSHOWROOM起業につながるキャリアチェンジに果敢に舵を切った(ライフ)ストーリーを知り、
環境にアジャストするスマートな一面に、ご本人が持たれている雰囲気とは裏腹に?
熱いキャラクターも本の節々で伝わってきました。
一人ひとりが持たなくてはならぬ・・
そして何より、人生のコンパスを持つことの重要性
” 幸福の価値観は人それぞれですから、どちらが上も下もありません。最も不幸なことは、価値観という自分の船の指針、コンパスを持っていないということ。
そして、持たぬが故に、隣の芝生が青く見えてしまうことです。
人の心は弱く、どれだけ他人が羨むような状況にあったとしても、得てして、隣の芝生が青く見えてしまうものです。
結婚して可愛い子どもに囲まれていたり、休日にお出かけをしてプライベートライフを充実させていたり、はたまた仕事で大活躍していたり、SNSからは幸せそうな知人の近況が日常的に目に入ります。
そのときに、自分にとって大切なことを選び、決めていないと、自分以外の他者の幸せが羨ましくて仕方なくなるかもしれません。
選ぶ、ということは、同時に、何かを捨てることです。何かを得ようと思ったら、他の何かを犠牲にしないといけない。
人生の質を高めるのは、選択と集中です。”(p155-156)
の根源的、明瞭なメッセージに共感、他でも唸らされる部分が点在し、年の差はありながら数多く学び、示唆を得られる一冊でした。