先日、中間記をアップロードしていた
高田文夫さんの『東京笑芸ざんまい』を読了。
中、後半で印象的に残ったところは、
私が以前、読んでいた『美しく、狂おしく、岩下志麻の女優道』
の著者 春日太一さんについて
” 私が最も信頼する物書きであり、これほど映画を愛しきっている男も知らない。だから映画評論家なんてチンケな肩書きではなく、時代劇・映画史評論家と称している。”(p229)
という人物評であったり、
盟友(というべき)ビートたけしさんとコンビを組んだオールナイトニッポンの
” オールナイトも、本当に面白かったのは、最初の三年から四年くらいまでだな”
整理しておくと、いきなり「元旦や 餅で押し出す 二年グソ」と叫んだのが、一九八一年の一月一日。
もはや伝説となり、みんな知っていることだが、、これは生放送ではなく、一九八〇年の暮れも押し迫ったある日、たけしと私がニッポン放送に呼ばれて録音したもの。
局としては「何を叫び出すか怖くてしょうがない」ので、放送禁止用語などのチェックもあり、あらかじめ収録したのである。
当然、第一回をの放送を聞いた私もたけしもびっくり。やけに曲がいっぱい入って、長くかかっているなぁと。
実際はオンエアの倍の量は喋っていたのだが、「危ない」というキーワードで編集されている。”(p276)
といった回顧録など。
高田文夫さんのアングルで紐解く東京芸
各回、
” かつてこのわたしよリも二枚目と言われたアラン・ドロンも、そろそろ引退を発表したようだ。
・・中略・・
あの時代、私はアラン・ドロンよりもジャン=ポール・ベルモントが好きだった。なんだか私に似ていて親しみを覚えた。
やっぱり根っから二枚目より三枚目のほうが好きなのだ。二枚目三枚目、これは歌舞伎の木札、総看板などから来ているようで、一枚目(一番右)が座頭、二枚目に入る名が色男・いい男。
そして三枚目にくるのが笑わせる役者、滑稽な役をする者(サーカスでいうピエロ)。
さあ、そこで唐突だが、今回はその「三」について考えてみたい。”(p115)
或いは
” そこで、今回は面白い試み。最強にして最笑のコンビ、タッグを考えてみようというものだ。
・・中略・・
ルールとして当然決めておきたいのだが、正式の漫才コンビとかトリオはノミネートしない。”(p240)
といった興味深い切り口のもと、全28篇。
” 私は「芸」に関わる芸人、芸能人、作家、演出家がどう生き、どんな所で、どんな人と出会ったのかを知るのを、趣味としている。”(p207)
としている高田文夫さんのライフワークとでも云うべき三部作のフィナーレで、
あっさりと締めくくられる最後に一抹の寂しさ、のような感情にも襲われたのは、読中に感じていた楽しさに懐かしさの反動だったですかねー