泉麻人さんが、2015年に発表した書き下ろし小説
『還暦シェアハウス』を読了。
妻との別居生活を余儀なくされ、風俗通いの副作用にも直面した主人公が、心機一転思い立った
” 55歳以上、まぁ還暦世代のシニアの方々を対象にしたシェアハウス “(p17)
を舞台に繰り広げられる人間模様、住人同士が居を去った住人のルーツを探るべく出た旅・・
といった筋立てでストーリーが展開されていきます。
昭和漂い、分岐点に差し掛かった者たちの・・
サイン本入手がきっかけで本作を知り、コラムのイメージが強く泉麻人さんに小説のイメージなかったですが、
例えば
” フロアーのジュークボックス <ワーリッツァー3000 > から、練習曲に選ばれたスタイリスティックスの「ロッキンロール・ベイビー」が流れている。”(p72)
曲名まで落とし込まれたディテールに、
「これ必要かな・・」と感じさせられるHな場面設定に(笑)に、そこから更に官能小説を彷彿とさせられる描写に・・
断続的に読み進めていたこともあり、没入には至りませんでしたが、
中年のロマンというのか、「(こういうこと)ありそうだなぁ」といった現実感あるストーリーを泉麻人さんならではの斬り口で浸ることが出来ました。