最低賃金3%引上げ決定
” 5月30日、Fair Work Commission(FWC)は、最低賃金の3%を決定した。新最低賃金は時間$19.49になる。ABC放送(電子版)が伝えた。
FWCは年に一度最低賃金見直しを行っており、全国最低賃金制度の対象になる労働者人口は220万人を超える。この改定でフルタイム勤務の場合、週給は$740.80になる。
2018年のFWC最低賃金上昇率は3.5%だった。また、全豪労働組合評議会(ACTU)は2019年には6%の最低賃金引き上げを要求していたが、FWCの決定はその半分だった。
2019年3月、6%要求についてACTUのサリー・マクナマス書記長は、「2年以内にフルタイム雇用労働者の貧困をなくすことができる。
また、消費を刺激し、経済活動を活発化し、経済成長に寄与することができる」と主張していた。
しかし、経営者団体は低率の賃上げを要求しており、豪商工会議所(ACCI)の場合は1.8%を超えるべきではないと勧告し、
AI Groupも、「過去2回の引き上げ率は賃金全般の動きや経済状況から見て異常に高かった」として、2%の線を要求していた。
国内の賃金上昇率は停滞を続けており、統計局(ABS)でも、3四半期連続して年間賃金上昇率が2.3%に留まっていたと発表している。
また、2019年2月には、中銀(RBA)のフィリップ・ロウ総裁が、議会調査委員会で証言し、「世帯収入沈滞が消費者支出を抑えており、最低賃金上昇率は3.5%が妥当。
賃上げを見込んで支出したが賃上げがなかったために経済的困難に陥っている者も多く、消費が伸びなくなっている。
賃金引き上げが必要だというのはそういうわけだ」と発言していた。”(出典:NICHIGO PRESS)
物価に見合うべく、賃金増が課題と指摘されて久しいですが、他方、他国との比較では高賃金がネットとなっている面も指摘されています。
記事のトーンから国内企業への懸念も読み取れ、年一の見直しが、当面、重要事項として舵取りを迫られていくことになりますね。