上念司さんが紐解くお金を斬り口にした日本史:『経済で読み解く日本史(江戸時代)』読了

前々回、中間記をアップロードした

<< 2018年6月11日投稿:画像は記事にリンク > > 上念司さんが紐解くお金を斬り口にした日本史:『経済で読み解く日本史(江戸時代)』中間記

経済評論家 上念司さんの『経済で読み解く日本史(江戸時代)』を読了。

読み進めたのは、本書 中、後半の

 第4章 借金苦に喘ぐ大名、アイデアに溢れる商人

 第5章 「民間の活力」を生かせなかった江戸幕府

 第6章 明治維新の原動力になった江戸の蓄積

というところ。

痛恨のミス、開国への・・

幾つかポイントがある中で

” 1858(安政5)年に締結された「日米修好通商条約」こそが大問題でした。

この条約の第5条で、外貨取引の際に使う「為替レート」の設定をミスしてしまったのです。それもハンパなく ー。”(p250)

という事態に端を発し

” 人々は経済的に困窮すると極端な思想や考え方に救済を見出します。

そんなとき「開国したことが生活悪化の原因だ!」という素朴理論を聞けば、多くの人がそれを信じてしまいます。

幕府の為替レート設定の失敗は、人々の「攘夷」の感情に火をつけ、開国を推進した幕府は人々の怒りを買ってしまいました。”(p245)

なる展開に・・

” 倒幕のターニングポイントになったのは、明らかに「薩長同盟」です。

この同盟は亀山社中の坂本龍馬から提案されたものです。幕府の包囲網によって武器の購入が禁止されていた長州藩に代わり薩摩藩が武器を購入し、

兵糧米が不足していた薩摩藩に長州藩が米を提供するという「ディール(取引)」でした。

とは言え、長州藩にとって一番大きな成果は、薩摩藩が幕府による「第二次長州征伐」への出兵要請を拒否したという点です。”(p254)

歴史的転換点に、

” 江戸時代に民間消費の爆発的な伸びがあり、市場のニーズに合わせて様々な商品作物を持って現金収入を得るというビジネスモデルは当たり前になっていたからです。

「百姓は農民に非ず」、まさにこれこそが江戸の蓄積の本質だったのです。”(p268)

本書を読みながらしばし感じていた逆説の日本史といった、今までの理解を覆される内容に、読み応えを実感することが出来ました。

幕末〜明治維新の必然性

後半を読むと、特に明治維新の必然性がうかがわれ、既に序盤「金本位制」の解説に始まる

次巻(明治時代)⬇︎に突入しており、

日本史の中でも特に重要なこの時期の理解を深めていきたいです。


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