音楽評論家 伊藤政則さんの
” 僕が語るべきはロックの歴史だ。特に、ハード・ロックについて語ろうとした時、その歴史はまだ四十数年しか経っていないわけで、時代の検証は比較的容易な作業ではある。
しかし、せっかくならば、「講釈師、見てきたような嘘つき」ではなく、僕自身が実際に目撃してきたことを語りたい。”(p008)
という経緯から上梓された『目撃証言 ヘヴィ・メタルの証言』を読了。
先日、読み終えていたシリーズの『遺言』は ⬇︎
時系列を辿るような構成となっていましたが、本書は
アーティストが切り口となり、伊藤政則さんの思い出が載せられていきます。
沸点間近の臨場感
フィーチャーされているアーティストは、
” アイアン・メイデンというバンドは、「過去」ではなく、「未来」を表現していた。
ポール・ディアノのヴォーカルには、時代の儀式としてパンク・ロックを通過してきたものだけが持ち得る、社会に蹴りを喰らわせる強力なエナジーが感じられた。”(p028)
に、
“「実はスティング」が好きなんだ」あるとき、ポールはそう告白している。
アイアン・メイデンが後にデビュー・アルバムを発表すると、世界中のロック・ファンがこのバンドの持つもモダン性と、独創的でハイブリッド化されたサウンドに驚愕した。”(p034)
というIRON MAIDEN:アイアン・メイデンに、
“僕のエルパソのライヴで初めてランディの凄さに気づかされた。
彼のプレイには鬼気迫る美しさがあり、オジーの持っている狂気と、ランディが吐き出す美しさが、ライヴでは絶妙に調和していた。”(p066)
というRandy Rhodes:ランディ・ローズを含むOzzy Osbourne::オジー・オズボーンに、
JUDAS PRIEST:ジューダス・プリースト、Michael Schenker:マイケル・シェンカー、SCORPIONS:スコーピオンズ etc
サブタイトルに「ヘヴィ・メタルの肖像」と掲げられたことが頷けるラインアップとなっています。
バックステージ、関係者専用エリアでの・・
本を読みながら強く感じられるのは、伊藤政則さんが、これらのアーティストの多くとブレイクする前から交流があり、
伊藤政則さんだから立ち入りが許されたり、取材が許可されていること。
また、エピソードを裏付ける物持ちの良さもポイントとなっていて、ロック好きには興味深い内容多々と思います lml
OZZY OSBOURNE 伊藤政則『目撃証言 ヘヴィ・メタルの肖像』
なお、本書の制作過程で録画された映像が多数公開されていて、そちらも楽しめます。