企業の未払い給与額 年間13億5千万オーストラリアドル
” オーストラリア企業による労働者への未払い給与額が、合計で年間13億5,000万豪ドル(約998億円)に上っていることが分かった。
特に建設、ヘルスケア、小売り、宿泊施設、食品サービス業界では、21%の労働者に過少支払いのリスクがあるという。
報酬制度が複雑なことや、企業による給与支払いシステムへの投資不足など、複数の要因が影響しているとみられており、連邦政府は罰則の強化を検討している。20日付オーストラリアンが伝えた。
会計大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の試算では、未払い額が最も大きくなったのは建設業界で、年間3億2,000万豪ドルに上った。
地場監視機関フェアワーク・オンブズマン(FWO)によると、2019年に発覚した大企業による給与未払い件数はこれまでに22件となっている。
最近では小売り大手ウールワースが、過去9年間にわたり6,000人の従業員に対し最大3億豪ドルの賃金を支払っていなかったことが分かっている。
ほかには、◆コンビニ最大手セブン―イレブン:1億5,000万豪ドル◆自動車部品販売最大手スーパーチープ:3,200万豪ドル◆宝飾マイケルヒル:2,500万豪ドル◆公共放送ABC:2,300万豪ドル◆複合企業ウェスファーマーズ:1,500万豪ドル――など。
連邦政府は、悪意のある事例について、5~10年の懲役刑を導入する可能性について検討している。
また民事法上の罰則も強化される見通しで、企業役員への制裁措置などが考慮されている。
ほかにも、労働者による労使裁定機関フェアワーク委員会(FWC)への申し立て手続きを新設することが検討されているという。
ポーター司法長官は「多くの企業は、給与支払いの健全化に取り組むよりも、納税額を最小化することに時間を割いている」と批判した。”(出典:NNA ASIA)
他国の状況について不明であることから金額の多寡について評価出来ませんが、列挙されている企業が国内大手に公共放送も含まれている実態に、
5分の1に達する過少支払いのリスクを抱えている労働者割合などを鑑みると、闇の深さを感じさせられます。