泉麻人さんの『1964 前の東京オリンピックのころを回想してみた。』を読了。
本書は、
第1章 63年の大晦日の風景
第2章 64年の正月と八波むと志の死
第3章 吉永小百合と草加次郎
第4章 舟木一夫がアイドルだった
第5章 巨人少年のファン手帳
第6章 柏鵬と三羽ガラスの時代
第7章 シール・ワッペン・切手少年
第8章 忍者というヒーロー
第9章 オリンピックの頃の東京風景
第10章 平パンと007とビートルズ
第11章 夢の超特急とミコとマコ
第12章 オリンピックがやってきた
という目次(項目)に沿って、
東京2020オリンピックを迎える前、本書のタイトルにある通り、前回の東京オリンピックの頃について振り返られたされた著書。
ふらっ〜と、書店に立ち寄った際、サイン本の販売を見つけ、反応して入手していた経緯。
半世紀以上前の東京
泉麻人さんご自身、小学校に上がりたての頃であるそうで、書かれてあることは
おぼろげな記憶であったり、調査に基かれていたりしますが、例えば
“「平凡」63年12月号の浜田光夫との対談で、共演してきた映画のエピソードを和やかにやりとりした後、こんな一節がある。
浜田 また来たんだって?脅迫状
吉永 ついてないワ。
浜田 草加次郎
吉永 そうじゃないらしいの。家を爆破してやるって・・・。
・・中略・・
たわいもない芸能人対談の文脈で、不穏な事件話が語られている感じが異様だ。”(p50-51)
と、他に吉永小百合さんの家が記された略地図まで掲載された記事の引用があり、現代の記事、報道の在り方とは隔絶の感を覚えたり、
昭和40〜50年代のTVアニメ等でお馴染みの原っぱのドカン
” 下水道工事や新道工事が盛んだった当時、近所のちょっとした規模の空地には、こういう大型のコンクリート管が5個、6個と置かれていて、「忍者部隊月光ごっこ」なんかをやるときの格好の基地になった。”(p155)
” 「原っぱのドカン」の風景は「ドラえもん」にも見受けられるけれど、赤塚と藤子不二雄は長らく<スタジオ・ゼロ>という同じ拠点で仕事をしてきたわけだから、そのシチュエーションの源は同じ、オリンピックの頃の東京西部の住宅街がベースとなっている、と見ていいだろう。”(p155-156)
の言及に、昔、馴染んでいた感覚を引っ張り出されてみたり^^
あの頃の東京オリンピックの時に・・
大概の記述は、1964年に、その時期に原体験がなく、本書を読み進めて懐かしさを引っ張り出されるのではなく、
読んでみて初めて知ることが多かったですが、特にこの頃を知る方々にとっては、
泉麻人さんのナビゲートにより、タイムマシンに乗せられるような感覚を味わえる著書であるものと。