前々回、中間記⬇︎をアップロードした
石井妙子さんの『女帝 小池百合子』を読了。
決死の舞台裏
本書は刊行された経緯が終章に、
” 小池と同居していたという早川玲子さんからの手紙を私が受け取ったのは、二〇一八年二月の上旬であった。
私は小池の学歴詐称疑惑の告発を受けて、できるだけ早く、この事実を発表すべきだと判断した。
ひとつには、そのような自分が公職についていることを世間に伝える義務があると感じたからであり、もうひとつには権力者の秘密を知っていることにより、恐怖の中にある早川さんが安心を得るには、情報を公にする必要があると考えたからだった。”(p414-415)
とあり、この一文を読んだだけでも「重い」ですが、読了に至る遥か手前から状況証拠という形にはなりますが、
湧き上がる後味の悪さは否めず。それは記述を辿ると
” 「なんでも作ってしまう人だから、自分の都合のいいように。空想なのか、夢なのか、それすらさっぱりわからない。
彼女は白昼夢の中にいて、白昼夢の中を生きている。願望は彼女にとって事実と一緒。彼女が生み出す蜃気楼。
彼女が白昼夢に、皆が引きずり込まれてる。蜃気楼とも気づかずに」”(p8-9)
ということなのでしょうが、一方で(小池百合子東京都知事を)よく知る人物の人物評で
” あれは虚言癖というより、自己防衛だよ。あいつが手にしたのはイカロスの翼だ。こんなに飛べるとは、あいつだって思っていなかっただろう。
太陽に向かえば翼は溶けて墜落する。その日まで、あいつは飛び続ける気なんだ」”(p402)
と。
また、本書に先行する形で『文藝春秋』誌上で、学歴詐称、公職選挙法違反を問う『虚飾の履歴書』が掲載された際、
” 発表後、マスコミ各社がこの問題を取り上げ、追いかけてくれるものと私は思っていた。・・中略・・
しかし、そのように、ことは運ばなかった。”(p415)
の部分も闇深く、後味の悪さを増幅させることに、、
なお、著者 石井妙子さんから本書の記載に関する事実確認が小池百合子東京都知事サイドへ複数回行われたものの、有効な回答は得られなかったとのこと。
すっきり出来ぬもどかしさ
読み終えた同日に、来る都知事選への出馬表明があり、
まだ、航続距離が伸ばされそうな趨勢ですが、読み進めるに従って膨らんでいった
もや〜っと覆われた無力感のような心情が、すっきり解明される日が訪れることを望みます。