オーストラリアの作家・批評家 Clive Hamilton:クライブ・ハミルトンが上梓し、
世界に衝撃を与えた『目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画』を読み始めてから
第一章 オーストラリアを紅く染める
第二章 中国は世界における自国の立場をどう見ているのか
第三章 僑務と華僑
第四章 黒いカネ
第五章 「北京ボブ」
第六章 貿易、投資、統制
第七章 誘惑と強要
第八章 新旧のスパイ
第九章 「悪意あるインサイダー」と科学機関
第十章 オーストラリアの大学で「魂に工作する」
第十一章 文化戦争
第十二章 中国の友人:親中派
第十三章 自由の価格
と章立てされているところ「第四章 黒いカネ 」まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
大胆な戦略が、巧妙に・・
全編386ページに及び到達したのは130ページほどになりますが、50ページに至る間に既に本を一冊読んだかの重量感で、
まず、冒頭の「日本語版へのまえがき」で
” 北京の世界戦略における第一の狙いは、アメリカの持つ同盟の解体にある。その意味において、日本とオーストラリアは、インド太平洋地域における最高のターゲットとなる。
北京は日本をアメリカから引き離すためにあらゆる手段を使っている。”(p008)
とガツンとくるショッキングな一文に始まり、
” 当時の共産党総書記であった胡錦濤はこの会談で、最高権力を持った党の中央委員会が、これからオーストラリアを「中国の周辺地域」に組み込むであると決定したと述べた。”(p016-017)
に、
” 華僑を使ってオーストラリア国民全体を親中的にし、北京がコントロールしやすいように社会を変えていくというのだ。 “(p046)
といった内容が、いつ、誰が(=実名)、どこで、どのようにということが、仔細に、これでもかと言わんばかりに記されています。
出版前からの世界的衝撃
本書が出版に至るまでには、
” 私が懇意にしているアレン&アンウィン社は、本書の企画を伝えた時には非常に乗り気であり、すぐに出版契約を取り付けることができた。
ところが修正した草稿を編集に送る段階になって、アレン&アンウィン社は出版できないと告げてきた。
彼らは北京政府からの報復や、オーストラリア国内にいて中国共産党のために行動している人々のことを恐れていたのだ。
この出版中止のニュースは世界のメディアで報じられることになったのだが、私は出版してくれる会社を失ってしまった。他の出版社たちも怖がってしまったからだ。”(p013)
と、紆余曲折を経て日の目を見ることになりましたが、
世界経済の原動力とでもいうべき中国の存在感の裏側で、どのような工作が行われてきたのか、
「オーストラリアにおいてだけでも、これだけ、、」
否、まだ本の三分の一程度で(苦笑)道のりはまだ長いですが、その生々しさに戦々恐々としつつ、怖いもの見たさで、読み進めたく思います。