オーストラリア最古のミクロ国家「ハット・リバー公国」、コロナ禍で消滅
” オーストラリアで50年前に「建国」されたミクロ国家「ハット・リバー公国」が、新型コロナウイルスの影響で終焉(しゅうえん)を迎えた。
自称公国のハット・リバーは独自の旅券を発行し、オーストラリアに対して宣戦布告したこともある。近年では一風変わった観光地として主に知られていた。
だが、コロナ禍で観光収入が減るなど経済が影響を受けた上、納税額が膨らんだこともあり、オーストラリアへの屈服を表明せざるを得なくなった。
ハット・リバーがミクロ国家として誕生したのは1970年。「君主」の故レオナード・ケースリー氏はこの年、法律の抜け穴を利用したと主張して、西オーストラリア州の人里離れた地域に公国を設立した。
75平方キロの農地に建国されたハット・リバーは、面積こそマカオの2倍以上だが、人口は30人にも満たない。
オーストラリアからは国家としての正式承認を受けていないものの、ハット・リバーは独立国として活動。
政府は査証や運転免許証、旅券、通貨を発行し、国章や国旗を作成したほか、米国やフランスを含む10カ国の13カ所に海外拠点を構えていたとされる。
だが、そんな試みは終わりを迎えた。
レオナード公が昨年2月に死亡すると、後には米ドル換算で215万ドル(約2億2,800万円)の未払い納税額が残った。
息子で後継者のグラエム・ケースリー公は先週、土地を売って納税債務の支払いに充てる方針を明らかにした。
ケースリー氏はCNNの取材に、国を解体することになり打ちのめされていると吐露。
「父親が50年かけて築いてきた国を廃止せざるを得なくなり、非常に悲しい」と語った。
ミクロ国家(ミクロネーション)とは、主権国家を主張するものの、法律上は独立国とみなされない実体を指す。
バチカン市国のように国際的に主権が認められるミニ国家(マイクロステート)とは異なる。”(出典:CNN.co.jp)
ハット・リバー公国について初めて知りましたが、建国の発想に、承認を得ていないとはいえ半世紀近く続いた試みが興味深いです。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2020年8月15日分の掲載記事です。
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