空手家として極真会館 第1回オープントーナメント全日本空手道選手権大会チャンピオン、キックボクシング「ワールド・キックボクシング」エースとして活躍されたなどの経歴を持つ山崎照朝さんの半生に、
東京新聞運動部記者 森合正範さんが迫った『力石徹のモデルになった男 天才空手家 山崎照朝』を読み始めて
第1章 力石徹はおまえだ
第2章 大山倍達と石橋雅史
第3章 「戦国キック」参戦
第4章 第1回 全日本選手権の衝撃
第5章 梶原兄弟との訣別
第6章 クラッシュ・ギャルズ
第7章 空手道おとこ道
と章立て(別途: Interview「極真の竜 」、語る 他)されているうちの第2章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
伝説の空手家に迫るプレリュード
本書は、参加が叶わなかったものの先日読了した『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修 評伝』の刊行記念イベントの
ゲストで本書著者の森合正範さんの登壇から本の存在を知り、『力石徹のモデルになった男』のネーミングに惹かれ、手に取った次第。
山崎照朝さんのお名前は、件の
『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修 評伝』で
” 大田体育館で行われた旗揚げ第二戦において、打倒カンワンプライの二番手に指名されたのが、山崎照朝だった。
空手の構えを見せた山崎照朝は、タイ式ボクシングのリズムに、まったく付き合わず、開始一分すぎに左の前蹴りを叩き込み、わずか1ラウンド1分33秒でKO勝ちを収めている。”(p360)
と登場しており、タイトルに掲げられた「伝説の空手家」の呼称とともに前段階から興味を刺激されての読み始めでしたが、
” 群れない。金もいらない。名声もいらない。ただ強くなりたいだけ。孤高の空手家には独特の価値観がある。”(p006)
に、
” 大山倍達に強さを認められ、梶原一騎に愛され、力石徹のモデルになった男。”(p007)
といった人物評に、
” ただ、喧嘩に強くなりたい。それが原点だった。 “(p044)
との動機から、高校在学中、山梨県内から片道約3時間かけて池袋の極真会館に通い始めるところから
” 毎日、道場で稽古に励み、社会人2年目になったばかりの1967(昭和42)年4月15日、最短記録である入門2年4カ月で黒帯を取得した。
当時、極真の黒帯は「1000人に一人」と言われるほどの難関だった。”(p067)
と既に熱く筋の通った生きざまが伝わってくる内容で、これから本格化するであろう伝説の域に達した武道家の軌跡に触れられることが楽しみです。