昨年(2020年)末のサイン本販売日に照準を合わせて
入手していた一冊。
積み重ねてきた伝説
朝倉未来選手本は、⬇︎昨年3月以来 。
前著『強者の流儀』では、考え方、死生観といったビジネス書的なアプローチでしたが、本書は幼少の頃から現在主戦場としているRIZINのリングに上がった頃まで。
1992年生まれ=30歳前で自伝が出版されてしまう経緯から凄いですが・・
書かれている内容も、高校生活に僅か三ヶ月で終止符を打った後
” いつ死んでもいいと思っていた。だが、喧嘩をしているときは生の実感を得ることができた。”(p61)
に、復讐を果たすべくとある意図から暴走族に加わるも
” 喧嘩ができればそれでよかったのであって、余計な人間関係は御免だった。実は暴走族の総長にならなかったのはそのためである。”(p73)
と、幼少の頃から力を持て余し、空手に没頭し強さに磨きをかけていった一方、
” 卑怯なことはするな、喧嘩のときに武器を使うな、ということも周りによく言っていた。全然、不良らしくなかった。”(p66)
或いは、傷害事件を起こし鑑別所に送られ
” みんな少年院には行きたくないから、まるで人が変わったようにいい子で過ごす。だが、俺は自分がやってきたことを否定したくなかった。
・・中略・・ けれども俺は、もう、少年院に行くことを決めていたのだ。”(p95)
身体的強さが、真っ直ぐ強く貫かれている内面から溢れ出していることが伝わってきました。
更には極道に殴打されたことに納得いかず、単身事務所に乗り込み、拳銃を突きつけられるも
” 組長みたいな人が出てきて、俺は解放された。「この時代に、これだけ命をかけられる奴はなかなかいない」と言われたのを覚えている。”(p82)
といった常人離れした闘争心は、生まれついての格闘家と云えるでしょう。
そのような中、少年院では
” 実は勉強もけっこうしていた。高卒認定試験の勉強をして、世界史以外の単位を取得した。いわゆる学校の勉強である。
それ以外にも資格を取得するための勉強をこなしていた。その結果、危険物取扱者乙類第四類やワープロ検定を取得することができた。 “(p103)
と一つの面で括れない奥深さ、YouTuberとして発揮されるスマートさの断片も本書を通じて感じられました。
内なる強さ x 体現される強さ
回想の中には、
” 三才の頃、おもちゃとして与えられていた車のフィギュアなどの名前を全て覚えていたとのことだ。
ところが同じ頃、間違って親父の酒を一気飲みしたことがあったらしい。それ以降、どうも記憶力がなくなってしまった気がする。”(p41)
ってな「ホント??」と思わされる緩めな回想もあり ^〜^; 一筋縄ではいかぬところも読みどころでしたが
全般、常人離れしたエピソードの数々に圧倒されつつ 、ところどころで垣間見られる人間性とのギャップに、
今、格闘技界を背負う強靭さ際立つアスリートの人気の源泉を見せられたように。