よぉーやく「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」を読了。最後部に書を通じてのメッセージが要約されていた感じにつき、おさらい。
これからを見据える先見性
「ベゾスは一定の価値を補強し続けたいのだ。近年亡くなったスティーブ・ジョブズと同じように、
ベゾスは、社員や投資家、そして疑いの目を向けてくる消費者を少しずつ自分の考え方に引き寄せ、慣れさせてきた。
どのようなプロセスにも改良の余地がある。慣れた人には見えない欠点が新しい人にははっきり見えることもある。ソリューションはシンプルなほどよい。」(p463)
この点に関してジェフ・ベゾスはamazonについて・・
「我々に大きな強みはない。だから小さな強みを編んでロープにしなければならない」(p471)
ぶれぬリーダーシップ
着実なる成長を遂げる amazon について、ベゾスの友人は・・
「我々は複雑で矛盾する目標に向かって右往左往するので助けも得にいくわけですが、
ジェフは明快な目標をもち、ぶれずに一定の形で示すので、ほかの人たちもなにをしたらいいのかよくわかるのです」(p463)
業界他社と雌雄を決したベゾスの哲学
「インターネット時代が始まったころ立ち上がった他社と amazon が大きく異なる理由は、
ジェフが最初から長期的なビジョンをもって取り組んだからです。・・中略・・
ぶれずに進めば長期にわたって大きなことがなし遂げられるというのが、彼の基本的な哲学なのです」(p464)
スティーブ・ジョブズからの学び
ベゾスは amazon の強みを利益率の低さにあると考え、顧客第一主義の観点から価格を下げているのが特徴。
*営業利益率(Google Finance 11/25/2013):Microsoft 34%、Google 25%、amazon 1.1%
利益率が高い場合、ライバル企業が研究開発に投資して競争が激しくなるが、低い場合は顧客は集まるし、市場を守りやすい。
これをベゾスは iPhoneを驚くほど利益が上がる価格に設定した「スティーブ・ジョブズの失敗をくり返したくない」と表現し、
競争相手をスマートフォン市場に引き寄せた事を反面教師としている。
卓越した着眼点
他、印象的であったのは、物流の在り様で問題を抱えていた際のエピソードで・・
「(ベゾスは)制御理論も専門じゃないし、オペレーティングシステムも専門じゃありません。
物流センターのことも少ししか知らないし、何ヶ月も現場で過ごしたことなどありません。それなのに、彼の指摘はいちいち正しいんです。」(p250)
要はベゾスの頭の中では一貫した確固たる amazon像 が描かれていて、
それについて来れない周囲との軋轢が生じているようですが、描いた未来像の的確さ、
消費者心理を完璧に客観視した洞察力に、提供な可能な最先端の技術を読み取った類い稀なる才能が、ジェフ・ベゾスの神髄と感じました。