二酸化炭素排出実質ゼロ目標の大手、1年で3倍増
” オーストラリア証券取引所(ASX)に上場する企業上位200社のうち、二酸化炭素(CO2)の実質ゼロ排出目標を掲げる企業が、3月末までの1年間で14社から49社と3倍以上に増加したことが分かった。
企業規模では、大手銀や資源大手2社なども49社に入っていることから、上位200社の資産規模の半分以上に当たる1兆豪ドル(約78兆6,100億円)を超えるという。23日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
業界団体オーストラリア・スーパーアニュエーション投資評議会(ACSI)の調べによると、同期間にエネルギー大手AGLエナジーや給油大手アムポル、シドニー空港、小売り大手コールズ、ビタミン剤最大手ブラックモアズなどが実質ゼロ排出目標を掲げた。49社の大半が2050年を目標としている。
ACSIのデビッドソン代表はただし、排出量の多い製造やエネルギー、運輸業界で、削減目標が依然として低水準の企業が多いことが懸念事項だとしている。
■「排出努力欠く企業に罰則を」
オーストラリアが30年までに05年比で排出量を26~28%削減する目標を達成するためには、連邦政府は制度を改革し排出削減しない大手に罰則を設けるべき――。独立系シンクタンクのグラッタン・インスティテュートが訴えている。
産業排出は05年の1億3,000万トンから19年には1億6,200万トンに増加した。グラッタンは、ガスと石炭輸出が拡大したためで、排出量の3分の1を占める産業部門の過去10年の削減努力は他部門に劣ると指摘。
資源や製造、運輸など150社を対象に設定されている排出量の上限についてのセーフガード措置を強化する必要があるとしている。
一方、テイラー・エネルギー相は、セーフガード措置を含むエネルギー政策改革に関して企業とのコンサルテーションを開始した。政府は改革に2億8,000万豪ドルを投じる構えで、企業に低排出技術の採用などを推奨している。”(出典:NNA ASIA)
コロナ禍で経済活動で制約を強いられている中、中長期的な転換も迫られ、特定業種に、事業規模の大きな企業ほど難しい舵取りを迫られますね。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2021年8月24日分の掲載記事です。
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