筒井康隆先生が綴った型破りな刑事が躍動する四篇の推理小説:『富豪刑事』読了

筒井康隆先生の『富豪刑事』を読了。

(2021年)5月末から6月中旬にかけて購入していた筒井先生本7冊のうちの一冊。

TVドラマ版は視聴していないものの深田恭子さん主演といった程度は承知、筒井作品の代表作のうちの一作と捉えており、

購入本に書かれていたサイン

サイン本入手機会に飛びついていた経緯。

大富豪の子息(刑事) x ミステリー

TVドラマの主役は女性であったものの、原作では男性。収録されているのは

 富豪刑事の囮

 密室の富豪刑事

 富豪刑事のスティング

 ホテルの富豪刑事

の四話。

” キャデラックを乗りまわし、葉巻を半分を喫わずに捨て、十万円以上のライターをいつも置き忘れ、イギリスで誂えた仕立ておろしの背広を着たまま雨の中を平気で歩くような刑事  “(p16)

と同僚から評される神戸大助刑事が、

犯人を割り出すため容疑者を集めたダンスパーティーを開催したり、密室殺人を解明すべく犯人を同環境におびき出したり、警備を容易にするため街に集う東西の暴力団を一つのホテルに集結させ・・

といった状況から起きた事件の核心に迫られていきます。

読み始め前は、刑事が富豪であるとの設定に意識が集中していましたが、推理小説としての面白さ、

本領発揮される何でもありSFとは異なり、筒井作品の中ではかなり読みやすく、それぞれの話しの展開に軽やかに惹き込まれていきました〜


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