総合格闘家にしてYouTuberとしても人気の朝倉海選手の『革命のアウトサイダー』を読了。
サイン本販売情報に反応し
入手していた著書。
格闘技界の注目兄弟の弟の半生
本書は、
” この本では、僕と格闘技の出会いを中心に、子供時代からRIZINでチャンピオンになるまでの物語を綴りました。”(p222)
とある通りの半生記で、地域で伝説級のエピソードが並ぶお兄さんである朝倉未来選手 ↓
と比較して、高校卒業後、トヨタの下請け業務を担う会社に入社する一方、THE OUTSIDER に参戦し頭角を現す中、
” 社内でも昇進のための試験があり、そういう試験では最優秀を取るなど、決して手抜きをしなかった。”(p83)
に、階級王者を決めるべく参加したトーナメント中、
” その頃、格闘技に使えた時間は、一日にわずか九〇分だった。それがさらに試験の対応で減ることもあった。”(p118)
と制約された環境においても
” 結局、自分で考えなければ勝つことはできない。強さとは、考える力でもあるのだ。それを学ぶことができた THE OUTSIDER時代は、僕にとって本当にかけがえのないものだった。
その結果、会社の試験は社内トップで合格することができた。さて、格闘技の実力の方はどうなっただろうか?
なんと、僕は合計二分程度の試合時間で、トーナメントを制覇してしまうのである。”(p117-118)
と見事な両立ぶり(!)が圧巻。また、努力が結実しチャンピオンを戴冠する時期に前後して
” 僕への応援に、五〇人くらいの友達も駆けつけてきてくれていた。”(p103)
更に、
” チャンピオンという称号とともに、ベルトを巻くことができた。
周りの友達も、まるで自分のことのように喜んでくれていた。お金もかかるのに、愛知から東京や横浜に当たり前のようにかけつけてくれた。それも一試合や二試合ではなく、毎試合だ。普通じゃない。”(p121)
という(YouTubeからも伝わる人がら)愛されようも印象的。格闘王こと前田日明さんをして
“「お前ら兄弟はセンスが凄いな」と評価してくれた。”(p97)
と言わしめた広く知られる格闘家としての素養に加え、総合格闘技に専念すべく職を辞し、THE OUTSIDER離脱後、
” 僕は全てを捨てて上京してきた。格闘技で結果を出さなければ、人生が終わる。遊んでいる暇なんてなかった。”(p161)
との決意で国内最高峰のRIZINでトップファイターの一人として活躍するまでの道のりを興味深く読み進めることが出来ました。
まだまだ続く極みへの道
もっか昨年(2020年)末の堀口恭司選手との再戦で黒星を喫し、捲土重来を期す最中と承知していますが、
まだまだ高い地点を見据えているであろう格闘ロード、本書の続編が出る可能性も高かろうと、また本書の続きを読める日を楽しみにしたいと思います。