ハライチ 岩井勇気さんの2冊目のエッセイとなる『どうやら僕の日常生活は間違っている』を読み始め初日で、半分程度のところ(〜p90)まできたので、そこまでのおさらい。
冒頭(「はじめに」)から
” 出版社に乗せられて、自分には文才があるんだ! などと勘違いした芸能人風情が、小説などを書きメディアに取り上げられ、蓋を開ければ最初しか話題になっていないのに本人は作家を気取っている痛々しい例を何度も見たことがある。”(p1)
に、
” というか出版社。「2冊目に向けた連載は〜」なんて言ってきてるけど、お前ら1冊目の初版6000冊しか刷ってなかったよな? 甘く見積もっていたくせに、如実に手のひらを返してきてやがる。”(p2)
といった毒づきと前のめりな感じにまず引き込まれ ^^
本編に入ると、友人たちと繰り出した下田温泉旅行で、近くに混浴があることを聞きつけ、
” 本当は全員わかっているのだ。若い女子など居ない。混浴に女性が来ていたとしても大抵年配のおばさんなのである。”(p34)
とありがちな?状況を想定したいたところ、いざ足を踏み入れてみれば・・
” すると、予想だにしない出来事が起こったのだ。立ち込める湯煙の中、目の前に誰かがいた。それはどう見ても20代前半の女子だった。綺麗な顔立ちで ・・中略・・
本当に若い女子がいることを想定していなかったのだ。そして次の瞬間、急に恥ずかしくなった。
堂々たるその女子を前にし、全員股間をタオルで隠しながら洗い場へ向かった。
その時初めて知った。混浴に綺麗な若い女子がいると、ラッキーでも興奮するでもなく、自分が裸でいることが恥ずかしくなるのだ。”(p35)
と予期せぬ展開からこの後さらに続くダメ押しに、
また脚立を買い求めに車でホームセンターに繰り出したは良いが、実は友人の披露宴をすっぽかしてしまっていることに気づかされ、そこから
” 目的の駅までは30分なのだが、遅刻をしてしまっている時の電車内で、いつも思うことがある。
待ち合わせ時間にどんなに遅れていても、電車に乗ってしまうと急ぐことができない。30分かかる乗車時間は、どうあがいても25分にはならないのだ。”(p42-43)
と、程度の違いはありながら似たような状況で我が身を振り返らせられる情景描写に引力強めで、
当初は
サイン本販売情報に乗っかってみた程度の熱量でしたが、
複数に及んでいる共感ポイントに、「あるな〜、そういう時」といった重なる日常での楽しめる読書となっており、唯一無二な感じの視点から飛躍していく展開、中、後半も楽しみです ^^