ハライチ 岩井勇気さんの引力強めの日常生活に引き込まれるエッセイ集:『どうやら僕の日常生活はまちがっている』読了

前々回、中間記⬇︎

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をアップロードした、ハライチ 岩井勇気さんの『どうやら僕の日常生活』を読了。

誰でもありそうな日常をちょっと変わった角度から

その後、読み進めた中〜後半には

” 東京で一人暮らしを始めて4年半。30歳という遅さで実家を出て、墓場の隣のメゾネットタイプのアパートに住んでいたのだが、しばらく住んだこの家から引っ越すことにした。

このアパートに住んだきっかけは、部屋の内見に来た際、スピッツの『猫になりたい』という曲の歌詞の「広すぎる霊園のそばの  このアパートは薄ぐもり」という部分が、この墓場の隣のアパートに重なったことだ。

子供の頃から一番好きなバンドがスピッツだった僕は、迷いなく契約したのだった。”(p135)

の一文に始まり

” 家探しの時に、変わった家ばかり見てしまう。普通に住みやすい家では満足できなくなってしまっているのかもしれない。”(p136)

との習性から転居した

” 低層マンションの屋上で1軒だけある平屋のような家なのだ。”(p136)

で始まった新生活の模様、 その中には・・

” やばい! 僕は状況を瞬時に飲み込んだ。流したトイレットペーパーの量が多すぎて排水口が詰まったのだ。

・・中略・・

しかしここからが問題で、その後少し様子を見ていたのだが、一向に水位が下がることはない。排水口が完全に詰まっている。

生まれて初めてトイレを詰まらせてしまった。”(p150-151)

とここから自助努力も実らず、

” 電話に出たのは割とぶっきらぼうな喋り方の男の人だった。こういう業者にありがちな、明るくてにこやかで親切そうな雰囲気のホームページとは真逆の人が電話に出る感じが、あまり好きではない。”(p153)

と手配した業者との間で繰り広げられる攻防など、本書冒頭の「はじめに」に

” 特別な事件などまぁ起きない。この世のどこかで、あなたと同じような平々凡々な日常生活を僕も送っている。”(p3)

とある通り、誰にでも起こり得るであろう日常に、岩井勇気さんなりの見立て展開に共感させられたり、考えさせられたり ^^

23の日常 & 創作

23篇のエッセイの他、

購入本に書かれていたサイン

巻末には

” あぁ、やっぱりそうか。僕の違和感は確信に変わった。裏の世界に来てしまったのだ。”(p198)

と表の世界と裏の世界を行き交う初小説(短編)も掲載されており、200ページ強、クセのあるハライチ岩井勇気さんの世界観に触れられるエッセイ(+α)集。

独特な感じの読後感から最初のエッセイ集(『僕の人生には事件が起きない』)にも手を伸ばしてみようかなと思案中・・。


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