橋下徹弁護士に学ぶ土壇場に挑む交渉術:『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』読了

橋下徹弁護士の『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術  かけひきで絶対負けない実戦テクニック72』を読了。

以前、本書について推奨があり、その内容から興味を持ったものの相当なプレミアが付いていて購入に踏み切れなかったところ

プレミアも落ち着き、サイン本購入機が訪れ触手が伸びていた経緯。

修羅場も経て培われた交渉力

骨子は、

” 私に持ち込まれる案件は、他の弁護士がさじを投げたような、こじれにこじれたものばかりと言ってもいいだろう。

「殺すぞ!おら!」と威嚇してくるようなヤクザや、紛争解決をウラ稼業とする「事件屋」、「示談屋」といったような、百戦錬磨の連中たちが相手となることも多い。

・・中略・・

本書は、そんなさまざまな交渉において、私自身が実践し、体得してきたノウハウをみなさんにご紹介するものだ。”(p2)

というもので、各論で

” 相手方にメリットを与えるに当たっては、こちら側の苦労の部分を強調する。それによってこちら側にとってはたいした譲歩でなくとも相手方が得る利益は大きなものであると思わせることができる。

その演出にタフネゴシエーターは腕をふるっている。詐欺にならない程度に、ではあるが。”(p21)

という術に、

” 第一に心得てほしいのは、「交渉とは不満足の分配作業」だということだ。優れた交渉人はみな、この大基本を理解しているものだ。

・・中略・・

交渉にハッピーエンドなどそうそうないことは理解しておいたほうがいい。まとまったときに当初用意していた主張が通るなど、まず考えられない事態だ。

交渉はプラスを求めていくというよりも、マイナスを少しでも解消していくことに近い。”(p45/47)

なる原則論に、

” なあなあの解決をはかろうとするのは、おそらく相手方に気に入られたい、好かれたいという気持ちがあるからだと思う。

上司や同僚、取引先との人間関係にことさらひびを入れたくないという考え方がベースにあるのではないだろうか。

であれば、なおさらシビアに交渉することをおすすめしたい。交渉の過程ではぎくしゃくすることもあるだろうが、最終的に解決することに意味がある。”

直面している問題を解決したことによって、新たに獲得できる大きな信頼が必ずある。

それは、なあなあの関係によって維持される信頼よりも、強固で確実なものだと私は思う。”(p137)

という交渉(を経て)の向こう側の世界に、さまざま弁護士業務の現場で得られ培われた交渉術が70超披露されています。

橋下徹弁護士の素

2003年6月出版と時期は遡りますが、日ごろ意識していようとせざるとも我々が日常的に行っている駆け引き、交渉の本質的な内容は今も変わることないであろうと。

本書は橋下徹式な色合いもあるでしょうが、本音と建前では後者に偏った感じが(学びのほか)読み物としても興味深くなっています。

購入本に書かれていたサイン

橋下徹弁護士といえばケンカ腰とも感じられる攻撃的な姿勢が、まずもって思い浮かぶところですが、

TVにWeb等、メディアで連日引っ張りだこの橋下徹弁護士の名を押し上げた原点に触れられる著書であるように。


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