ラグビー日本代表などで主力選手として活躍するも、医学の道を志すべく2021年5月に惜しまれつつも現役引退をされた福岡堅樹さんの『自分を信じる力』を読了。
サイン本販売情報に
即反応して入手していた経緯。
ラグビー x 医学部受験 の両立
本書は、
” ラグビーで世界と戦いながら医師を志して学んだ経験をもとに、僕が何を大事にし、どんな考え方をしてきたか。具体的にどんな鍛え方、学び方をしてきたかを包み隠さずに書いていきたい。”(p5)
という意図に沿い、
第1章 成長の限界を決めない
第2章 自分を客観視する
第3章 割り切る勇気を手に入れる
第4章 目標はいつ変わってもいい
第5章 「ONE TEAM」で学んだこと
第6章 自分に合った勉強法を見つける
第7章 社会の中で輝く歯車になる
第8章 信じた道をまっすぐ走る
との章立てで、
” ラグビーにおいて自分の影響を受けた人として、エディー・ジョーンズさんの存在は、このうえなく大きい。
その尋常とはいえない過酷な指導によって僕は極限まで追い詰められ、初めて「ラグビーをやめたい」と思った。
同時に「限界を突破する」という意味を初めて知った。”(p16)
というラグビー現役中のエピソードに、
” スケジュール通りにできなかったときにネガティブなイメージを持つことを避けたかったからだ。「勉強を義務に思いたくない」という気持ちが常にあり、やるべきことは前向きに取り組めるように工夫した。”(p157)
と現役生活中の医学部試験合格に向けた取り組みから
” ピアノのコンクールでもラグビーの試合でも、あるいは大学受験、就職面接でも言えることだと思うが、プレッシャーに押しつぶされず、無駄な緊張から解放される最良の方法は、自分がそれまで準備してきたことを心から信じることだ。”(p128)
或いは
” 僕が今までの人生で後ろ向きになったことがさほどないのは、「こだわりが薄く、いい意味で淡白」な性格だからであり、みんなが長所と認めない気質も自分の「強み」にしているつもりだ。大事なのは、弱みを強みにする発想の転換なり工夫なのではないかと思う。”(p212)
といった現在の福岡堅樹さんの創り上げてきたメンタル(心の内側)について書かれています。
夢と野心を導いたこと
その源泉になったのは
” 僕には夢と野心があった。この世に生まれたからには、今まで誰も歩んだことのない道を歩みたい。自分にしかできないことをやり、先駆者となって新しい世界を切り拓きたい。
そういった意味では自分だけの特別な道を進みたい。そういう思いを抱いてきた。”(p210)
との考えで、
これまで一ラグビーファンとして福岡堅樹さんの挑戦(ラガーマン→医師)について承知していて、読んでいても
” 自分の限界を突破するには、常に限界値の100を積み重ねるしかないことをエディーさんに教えられた。”(p115)
とエディー・ジョーンズさんに叩き込まれた教えは強烈でしたが、
本書で、これまでのさまざまな出逢いに経験が掛け合わされ、福岡堅樹さんの夢が次第に現実化していっている道筋を知れ、本書の読み応えを感じた部分となりました。