先週、読み始めの段階で記事にした ↓
5冊に及ぶ三体シリーズの1冊目『三体』を連休期最終日に読了。
もっとも感覚は読了とは言い難く、上掲記事のアップロード後、大部分を先週末の東京⇄大阪移動時の新幹線内で読み進め、
全433ページ(別途「訳者あとがき」)読み終えた後に感じた重量感に、先ず抱いた感想は「難しかったなぁ・・」と、ストーリーの全体像を頭で描き切れず。
拡がりゆくスケール感
タイトルに絡む(であろう)「三体問題」とは
” 質量が同じ、もしくはほぼ同程度の三つの物体が、たがいの引力を受けながらどのように運動するかという、古典物理学の代表的な問題。
天体運動を研究する過程で自然とクローズアップされ、十六世紀以降、おおぜいの科学者たちがこの問題に注目してきた。
オイラー、ラグランジュ、およびもっと近年の(コンピュータの助けを借りて研究してきた)科学者は、それぞれ、三体問題のある特定のケースについて、特殊解を見出してきた。
後年、フィンランドのカール・F・スンドマンが、収束する無限級数のかたちで三体問題の一般解が存在することを証明したが、この無限級数は収束がきわめて遅いため、実用上は役に立たない。”(p205)
というもので、
カバーの見返しに記された
” 物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔。
失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。
そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。
数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。
その陰に見え隠れする学術団体<科学フロンティア>への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象<ゴースト・カウントダウン>が襲う。
そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?”
という奥行き拡がるストーリー。
超弩級本格SF
訳者 大森望さんによる「訳者あとがき」で
” 小説のテーマは、異星文明とのファーストコンタクト。カール・セーガンの『コンタクト』とアーサー・C・クラーク『幼年期の終り』と小松左京『果しなき流れの果に』をいっしょにしたような、超弩級の本格SFである。”(p435)
と称された大作。
ここで引用した内容に興味を刺激された方々は、読後に相当の重量感得られる物語序盤(1/5)であるように思います。