(2022年)6月に読んだ前作『六人の嘘つきな大学生』に ↙︎
引き込まれたので、
サイン本入手機会に合わせ購入。
何者かによって作られたTwitterアカウント
本作は、
“「はい・・・何だか、部長のTwitterがどうとか」
「Twitter?」
「やってるんですか?」
「まさか」”(p31)
というSNSに距離を置いていた五十代男性の主人公が、何者かによって作成されたなりすましアカウントによって
殺人事件の容疑者に仕立て上げられ、逃亡する過程でストーリーが推移していくもの。
その間には
” 思いつく範囲に、容疑者候補は一人もいなかった。人に恨まれるよりは好かれることのほうが圧倒的に多かった。胸を張って断言するのは気恥ずかしいものがあるが、人望はあるほうだった。”(p80)
という自己評価が
” 「あなたは、恨みを買いやすい人だから」”(p196)
と、周囲の評価が真逆であった真相が主人公を苦悶させ
” かの呟きは、あなたが拡散に手を貸す前までは、実に四時間。四時間も、二十六リツイートのままだったんです。”(p289)
一つのリツイートが事件を拡散するきっかけになってしまい、事件に巻き込まれてしまうことになる今どきの設定など、
さまざまな仕掛けから結末への興味を刺激され、エンディングに導かれていきます。
今どきのあるある感
各段階でいろいろと登場してくる登場人物に散りばめられた伏線から、最後拾いきれない部分はありましたが、
我々の多くの日常にすっかり浸透しているSNSが主たる役割を果たす、なりすまし劇。
さもありなんといった現実と紐付けられてしまった経過に、やはり本作でも物語に引き込まれた感覚を味わうことが出来ました〜