体操においてオリンピック4大会で個人総合2連覇をはじめ7つのメダル、世界体操競技選手権の個人総合で世界最多6連覇を含め19のメダル格闘等、数々の金字塔を打ち立てた内村航平さんの『やり続ける力 天才じゃない僕が夢をつかむプロセス30』を読了。
サイン本入手機を捉え
手元に引き寄せた1冊。
” 体操競技を始めたのは3歳のときでした。
正直なところ、僕には才能やセンスといったものはまったくありませんでした。
あとから始めた妹のほうがなんでも器用にできていたくらいです。小学校のとき、初めて出場した大会でも最下位でした。”(p1)
の一文に始まる本書は、長期、体操界を牽引した決め手として取り上げたのが
“「やるべきことを継続してきたから」
「継続に必要な強い気持ちとモチベーションをもてていたから」”(p1)
の二点に、
” 1、まず目標をもつこと。
2、目標達成には何が必要かを考え、計画を立てること。
3、その計画に合わせて、練習や学習、実践(実戦)経験を積んでていくこと。
4、途中であきらめずに続けていくこと。
それができるかできないかが、最も大切だと思います。”(p2)
と「はじめに」でブレイクダウンし、本編では
序章 プラクティス 基礎を続けることの意味
第1章 スターティング 夢への第一歩
第2章 プランニング オリンピックの頂点への道
第3章 コンディショニング 自分だけの「ベスト」を考える
第4章 チームマネジメント 勝つための組織づくりとリーダー像
第5章 決断 アスリートが人生を変えるとき
第6章 ラストチャレンジ 人に夢を与えるための「東京五輪」出場
第7章 ワーク 天才とは? 本当の努力とは?
終章 未来へのメッセージ 体操が教えてくれたこと、キャリアをどうつくるか
の章立て(+あとがき)に沿って、内村航平さんの実践に沿った論が展開。
好き x やり続けること
刺さり深かった箇所を下記に引用すると・・
” うまくなくても、好きだからやれる。
どんなことでもそうなのではないかと思います。
たいしてうまくはなくても、どこが少しでも良くなれば、その変化が嬉しい。嬉しいからまた頑張る。そういう繰り返しのなかで、少しずつでもレベルアップしていく。
・・中略・・
「好きなことを続ける」という図式が一度できると、応用がききます。”(p39-40)
という根本に、
” 簡単にできることは飽きるのも早く、すぐにおもしろくなくなります。
つらいと感じることが目の前にあるのはむしろ幸せなのだと思っていいほどです。”(p106)
というマインドセットに、結び「あとがき」の
” 個人総合40連勝という記録にしても、王者の証などではなく、継続の証なのです。
自分のことをよく知り、「ベストな習慣」を考える。
周囲の仲間と自分に合ったコミュニケーションで信頼を築いていく。
苦難や困難にぶつかったときは、その原因を考えながら、乗り越えるための方法を見つけていく。”(p261)
といったところ。
体操は時おりニュース映像で見る程度の距離感であった自分としては、内村航平さんを世間で括られている天才の部類に安直に仕分けていましたが、
ご本人曰く
” 自分には「才能」なんてなかったと思っているし、才能という言葉自体が嫌いだということは最初にも書きました。
「天才」なんて言葉も嫌いです。”(p218)
と切って捨てており、巷、世間のイメージを軽く覆され、何よりタイトルに掲げられた通り、続けることの大事さが刺さってくる著書です。