三笘薫少年をプロサッカー選手に導いたブレない考え方:『VISION 夢を叶える逆算思考』読了

サッカー日本代表でファンの期待を背負い、本場英国プレミアリーグ Brighton & Hove Albion: ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC所属の三笘薫選手の『VISION 夢を叶える逆算思考』を読了。

本書は、

” 本書では、僕のサッカー選手としての歩みを振り返りつつ、普通のサッカー少年だった僕が、その時々で自分の目標や理想像に向かって自身をアップデートしていった考え方や練習法、フィジカル、メンタル、食事、教育法、言葉、海外挑戦などすべてについて書いている。 “(p6)

という前提に沿って上梓された著書。

 第1章 サッカーとの出会い 〜三笘薫を作った少年時代の「ドリブル基礎練習法」「三笘家の教育」「食事」〜

 第2章 川崎フロンターレ「ジュニア」・「ユース」 〜プロを目指すための「利き足練習法」「目標シート」「1試合に集中するメンタル」〜

 第3章 筑波大学 〜「プロに行かずに実現した肉体改造法」「三笘ドリブルという武器と型」「世界に最速でいくための伸ばし方」〜

 第4章 Jリーグ 川崎フロンターレ 〜「得点力を伸ばした頭を使うコンビネーションの考え」「もう一つの武器・アウトサイドパス」「強者のメンタリティ」〜

 第5章 日本代表 〜「ワールドカップ激闘の裏」と「個のボールを握るサッカー」、三笘の1ミリを生んだ「ゲームを読む力」、多くの人に伝えたい「あきらめない力」〜 

 第6章 ベルギーリーグ ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ 〜 “世界基準”のサッカーに勝つ「エゴの活かし方」「上昇志向メンタル」「背負うドリブル技術」〜

 第7章 プレミアリーグ ブライトン 〜「ゴールの軸と新しい型」「ドリブル」「自由自在のプレー比率」〜

 第8章 僕を作るメソッド 〜「逆算思考法」「フィジカル・トレーニング法」「食事メニュー」「メンタル」「睡眠」「走り」〜

という章立てで構成。目次の入力だけでも相応の文字数 ^〜^;A

本を手にした時に感じた厚み(=約310ページ)に、開けば19行x46文字(最大)というボリュームで

読み手の本気度を問われる思いを抱きながらの読書に。

” 今でもそうだが、僕を動かしているのは「意志」だと思う。サッカー選手になると強く思えば思うほど練習に打ち込めると思うし、それが苦だとは思わないはずだ。だから、後輩の子供たちにもそのことを伝えたいと思ったのだ。小学生の頃の僕が、まさにそんな子供だった。”(p44)

という幼少の頃からブレず貫かれてきたキャリアに、

” それでも僕は、ドリブルにこだわり続けた。チームワークは大切だが、プロになるために、絶対に譲ることのできない「個」にこだわらなければならない部分があったからだ。それはまさに「プロになるために必要なプレーなんだ」ということを考えたうえでの覚悟を持った選択だった。”(p75)

という目次でも強調されている三笘薫選手をプロフェッショナルの領域に押し上げ&突き抜けさせたドリブルの位置づけに、

やはり三笘薫(選手)といえば〜 の

“「折り返せば何か起こる ー 」

あれほど上手くボールが弾むとは思っていなかった。ピッチが少し滑りやすくて、上手く回転がかかったせいかもしれない。

ゴール前に走り込み詰めていた田中碧選手が、僕の折り返しを体で押し込むように右足で合わせた。際どいプレーだったため、すぐに映像判定のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が用いられて、しばらく試合がストップした。ただ、僕には「出ていない」という自信があったため、森保監督にもそう告げたのだが試合後に見直すとかなりギリギリだったことが分かった。

あのラストパスは「三笘の1ミリ」などと言われて、ボールを蹴った瞬間ばかりに焦点が当てられているが、僕が考える成功のポイントは違うところにある。”(p202)

「三笘の1ミリ」の本人による振り返りに、とにかく圧巻の情報量で、他にも

” 感情をコントロールするためには、自分がコントロールできるものだけに集中すればよく、コントロールできないものには感情を持っていくべきではないという教訓となるのではないかと思っている。”(p128)

とアスリートでなくとも、読者が読んですぐ日常で採り入れられるであろう内容も散見され、厚みに見合う読了感を得られました ^^ 読んで感じたのは言語化能力の高さに、それを身体に落とし込んでいくスマートさ。三笘薫選手に思い入れあるほど、読書から得られるもの大きくなると思います。


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