失業率 − 2023年10月
” 豪政府統計局(ABS)が16日に発表した2023年10月の失業率(季節調整値)は、3.7%と前月から0.1ポイント上昇した。就業者数は5万5,000人増と予想以上に伸びたが、労働参加率が67%と0.2ポイント上昇したことが失業率の悪化に影響した。
雇用市場の継続的な強さが浮き彫りとなった一方、過去18カ月の深刻な労働需給逼迫は緩和されてきたとの見方が出ている。
男女別の失業率は、男性は前月から0.5ポイント悪化の3.9%、女性は0.1ポイント改善の3.6%だった。
失業者数は54万7,800人で、前月から2万7,900人増加した。このうち、フルタイム求職者は前月から3万1,500人増の36万9,400人、パートタイム求職者は3,500人減の17万8,500人だった。
就業者数は、前月比0.4%増の1,417万3,500人だった。フルタイム就業者は1万7,100人増の982万8,000人で、パートタイム就業者は3万7,900人増の434万5,500人だった。
総労働時間は900万時間増の19億3,900万時間だった。希望する就労時間が得られない不完全就業者の比率は6.3%と横ばいだった。
ABSで雇用統計部門を率いるジャービス氏は「就業者数は、9月の小幅な伸びに続き10月は大きく増加した。月平均に換算すると3万1,000人の伸びとなり、昨年10月以降の平均3万5,000人と比べると、増加率は若干減速している」と説明した。
■移民増が失業率押し上げへ
失業率が前月比で好転した州は、◇タスマニア州:4%(0.2ポイント低下)◇北部準州(NT):4%(0.1ポイント低下)◇南オーストラリア州:3.6%(0.1%低下)――となった。
一方悪化したのは、◇クイーンズランド州:4.3%(0.4ポイント上昇)◇西オーストラリア州:3.8%(0.5ポイント上昇)◇ビクトリア州:3.8%(0.3ポイント上昇)◇ニューサウスウェールズ州:3.4%(0.1ポイント上昇)――だった。首都圏特別区(ACT)は3.9%で横ばいだった。
調査会社BISオックスフォード・エコノミクスでマクロ経済予想部門を統括するランケーク氏は、労働者需要の先行指標は軟化しているとし、来年初めには失業率がさらに悪化すると予想した。
オーストラリア連邦準備銀行(RBA)は、失業率は年末までに3.8%、来年末までに4.2%に上昇すると予測している。ただ、失業率の上昇は失業者の増加を意味するというよりも、移民増加に大きく起因するものだとする見方が強い。”(出典:NNA ASIA)
振れ幅は近年の枠内に収まっているものの年明けの見通しなど、これからの動きがやや気がかりですね。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2023年11月18日分の掲載記事です。
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