失業率 − 2023年11月
” 豪政府統計局(ABS)が14日に発表した2023年11月の失業率(季節調整値)は、3.9%と前月から0.1ポイント上昇した。18カ月ぶりの高水準となり、市場予測の3.8%を上回った。
就業者数は、エコノミストらが予測した1万500人増を大幅に超えて6万1,500人増と伸びたが、労働市場に新規参入したものの就職先を見つけることができなかった労働者は多く、失業率の上昇を抑制するには不十分だった。
男女別の失業率は、男性は前月から0.1ポイント悪化の4%、女性は0.1ポイント悪化の3.7%だった。
失業者数は57万2,000人で、前月から1万8,800人増加した。このうち、フルタイム求職者は前月から1万600人増の36万2,000人、パートタイム求職者は8,100人増の18万8,300人だった。
就業者数は、前月比0.4%増の1,425万7,500人だった。フルタイム就業者は5万7,000人増の990万5,900人で、パートタイム就業者は4,500人増の435万1,600人だった。
総労働時間は100万時間減の19億4,400万時間だった。希望する就労時間が得られない不完全就業者の比率は6.5%と0.2ポイント上昇だった。労働参加率は67.2%と0.2ポイント上昇した。
ABSで雇用統計部門を率いるジャービス氏は「23年を通して、好調な人口増加とともに雇用の増加が続いている」と説明。雇用人口比率は、23年2月以降64.4~64.6%、過去18カ月では64.3~64.6%と、長期にわたり高い水準で推移していると述べた。
■失業率、今後はさらに悪化
失業率が前月比で好転した州は、◇西オーストラリア州:3.7%(0.1ポイント低下)◇タスマニア州:3.6%(0.3ポイント低下)◇首都圏特別区(ACT):3.6%(0.3ポイント低下)――となった。一方悪化したのは、◇ビクトリア州:4%(0.1ポイント上昇)◇クイーンズランド州:4.4%(0.1ポイント上昇)◇南オーストラリア州:3.9%(0.2%上昇)◇北部準州(NT):4.6%(0.6ポイント上昇)――だった。ニューサウスウェールズ州は3.4%で横ばいだった。
会計大手EYのチーフエコノミスト、マーフィー氏は、「オーストラリア連邦準備銀行(RBA)からすると、今回の失業率悪化は予想通りで、驚くべきことではない」と説明。経済は減速し、今後失業率は上昇するだろうと述べた。
コモンウェルス銀行(CBA)のシニアエコノミスト、アレン氏は、「経済が減速し、労働市場の指標が緩和していることを考慮すると、ここから失業率を抑制することは難しくなると予想される」と述べた。
RBAは、24年年央までに失業率は4%に上昇し、経済が減速するにつれ、25年年央までに4.3%に拡大すると見込んでいる。”(出典:NNA ASIA)
失業率が3%台半ばから4%に近づき、当面の経済の見通しもネガティヴで、2023年末から2024年にかけて正念場を迎えることになりそうですね。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2023年12月15日分の掲載記事です。
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