ライターでお化け友の会世話役 村上健司さんと、作家&妖怪研究家 多田克己さんによる共著『それいけ! 妖怪旅おやじ』を年末年始を跨いで読了。
昨年(2023年)10月末に開催された刊行記念トークショー時、
購入していた著書。
内容は、
” 本書を簡潔に表すと、妖怪好きな三人のおやじが妖怪にまつわる場所を訪ね、そこで怒ったり驚いたり喜んだりしている様子を記録したもの ー といえるだろうか。”(p. 二)
というもので、『怪と幽』誌での連載が加筆修正され全十四回に及び
” 実は多田と村上は祟り岩を見るのは三回目で、前回来たときの多田は「触れれば即死、指すだけでも祟りがある」と伝わる祟り岩をベタベタと触りまくっていた。しかし今回は触りたくないという。詳細は教えてくれなかったが、とにかく帰ってからよくないことがあったらしい。”(p. 八二)
という村上健司さんによる探報記に、
” 伊豆諸島では、正月二十四日もしくはその前後数日間、夜間に外へ出てはならないと禁じられている。日が暮れると家に閉じこもり、声を出さずに静かに朝まで過ごさなければならない。夜になると海を渡ってあるモノが上陸し、集落を徘徊し、家々の戸口まで訪れるからだ。もしその「なにモノ」かを見てしまうと、災厄があり、最悪は命を落としてしまう。”(p. 二六八)
なる多田克己さんによる妖怪や伝説の解説が三〇一ページに及んで。
当然のごとく承知していない内容ばかりでしたが、
” 江戸の七不思議は本所と麻布だけではなく、番町、深川、豊島、千住、江戸城などいくかある。そこで、江戸の七不思議のうち、妖怪が関係するエピソードで、見て確かめることができる場所があって、一日で取材が可能な行程に組み込む ー “(p. 一三一)
と「(足元の)東京だけでもけっこうあるんだなぁ」という発見に、これは既述の刊行記念イベントで村上健司さんが強調?されていたことですが、
” 余談だが、行きの新幹線では七尋蛙なんて初耳だという多田のために、編集Rが資料を読み上げる場面があった。だが多田は「前に行ったことなかった?」と村上に声をかけ、編集Rをガン無視。普通なら気分を害するところだが、編集Rの表情に変化はなく、さすが多田に理解にある人は違うなと思った。それにしても、初耳だというのにその伝説が伝わる地を訪ねたことがあると思い込むのは、一体どういうことなのだろう・・・。”(p. 一七九)
といった道中のイライラが伝わる記述も散見され ^〜^;A 読みどころとも。