泉麻人さんが振り返った懐かしき熱かったあの頃:『昭和50年代東京日記 CITY BOYSの時代』読了

一週間前に、中間記 ↓

<< 2024年1月15日投稿:画像は記事にリンク >> 泉麻人さんが振り返った懐かしき熱かったあの頃:『昭和50年代東京日記 CITY BOYSの時代』中間記

をアップロードした泉麻人さんの『昭和50年代東京日記 CITY BOYSの時代』を読了。

中間記後に読み進めた後半で印象的であったところは、

” ♬A地点からB地点まで〜

ロックンロールのリズムにのせて始まるこの歌は、ぼんちが定番にしていたテレビ朝日の昼のワイドショー「アフタヌーンショー」(「笑ってる場合ですよ!」の裏番組でもある)の「事件ルポ」のコーナーのパロディをベースにしたものなのだ。

彼らのネタの歌に出てくる「川崎さん」と「山本さん」は、司会の川崎敬三とレポーターの山本耕一のことで、始終険しい顔つきをして「そうなんですよ、川崎さん」「犯人はこのA地点からB地点へ移動して・・・」なんてことをボードの地図をペンで指しながら受け手の川崎に開設する山本の語り口が評判を呼んだ。”(p213)

の一文に、ヒットした当時のことは覚えていたけれども背景は入っていなかったザ・ぼんち「恋のぼんちシート」に、

” トレンディー・ドラマの代表局として挙げられるのは、もう4、5年先のフジテレビだが、この当時は「ドラマといえばTBS」の時代。金妻(キンツマ)の省略系も定着する「金曜日の妻たちへ」の第1シリーズが2月にTBSで放送スタートした。”(p297)

と、ドラマは見てなかったけど「何だか流行ってなぁー」の記憶はあるタイトル等に「あの頃だったかぁ」という感覚をチクチクと刺激されました ^^

購入本に書かれていたサイン

これらの事が、

” この日のことで、とりわけ印象に残っているのは、大場久美子との初対面の光景。合宿所に連絡があって、最寄りの「葉山」という御用邸前のバス停に行ってみると、麦わら帽子を被った大場久美子とマネージャーと思わしき男が昔風の停留所の石台のようなところに座りこんで待っていた。”(p98)

に、

” 三浦和義とは違う、もう1人の「三浦君」と知り合ったのもそんな厳寒な冬だった。三浦君とはイラストレーター、マンガ家というより、いまや「サブカル王」といった方がいいかもしれない「みうらじゅん」のことだが、当時は漢字表記も使っていたので、ここでは「三浦純」と書くことにする。高円寺の彼の家(仕事場)に初めて行ったとき、凍結した雪の路面でコケたことをよくおぼえている。”(p308)

と泉麻人さんの個人史と並走する形で綴られており、泉麻人さん曰く

” 芸能人はともかくとして、同時代の作家やコピーライター・・・ いわゆるサブカル畑の有名人の名を奔放に挙げて語ったエッセーというのは、短文を除けば初めてだろう。”(p342)

という内容。

引用した固有名詞はじめ時代に懐かしさを覚えた方に、他人事ではない感覚を抱いた方々には、興味深い読書になる著書であるものと思います。


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