格闘家 堀口恭司選手が自身で半生を振り返った『EASY FIGHT』を前々日(2024/3/12)読了。
サイン本販売機会を捉えて
入手した著書で、2024年(購入)の一冊目。
本書は、冒頭の「まえがきにかえて 難しく考えるな」で
” 何をしたいのかにもよるけど、だいたい物事は全然難しくなんかない。同じ人間なのだとしたら、他にできる人がいるなら自分にも絶対にできる。逆にいったい何が違うのか、それを教えてほしい。要は、自分で自分にマイナスの洗脳をかけることは今すぐヤメたほうがいい。”(p3)
と格闘技に限定されない考え方の土台が示され、
第1章 前夜
第2章 UFC王座を目指す
第3章 師匠との別れ
第4章 日本人初の二冠王
第5章 カーフキック
第6章 格闘技をメジャーに
第7章 新格闘技団体「TOP BRIGHTS」の方向性を役割
第8章 「最強」の定義を考える
の章立てに沿って、
” 自分はまったく覚えていないけど、両親から聞いた話では、保育園でも幼稚園でも、担任の先生や女の先生を泣かしているような問題児だったとか。言うことを全然聞かずに、やりたいことだけやっていたワルガキだったらしい。”(p14)
という幼少期から
” とにかく自分は卒業したらプロになるつもりでいたし、どうせやるなら強いほうがいいだろうと思って、立ち技も寝技もある、総合格闘技の選手になりたいと思っていた。”(p32)
&
” 上京する際に、この格闘技で食えなかったら死んでもいいと思った。”(p144)
高校卒業時には既に固まっていた決意に、格闘家として抱いていた覚悟に、プロのキャリアに占めるウェートの大きかった試合(石渡伸太郎選手戦、 朝倉海選手との再戦等)の振り返りを含め、自分のような「堀口恭司選手の存在感に、キャリアのハイライトは漠然と承知しているけど、詳しいことは・・」といった者にも分かりやすくこれまで辿った軌跡が綴られています。
格闘家として生きる矜持と覚悟
冒頭に抜粋した「だいたい物事は全然難しくなんかない。」の部分、堀口恭司選手の現在を築き上げるに大きな役割を果たしたことは伝わってきますが、そこには
活動の拠点をアメリカに移した際、
” 現地での生活がはじまって思ったことは、溶け込めるか溶け込めないか、なんてことは考えないこと。なぜなら、暇さえあれば黙々と練習しかしていないわけだから、だから自分の場合は、自然と周りの人が認めていた感じ、と言えばいいのかな。”(p56)
或いは
” さて、自分は過去に、何度もオーバーワークと思えるような練習をしてきた。 ・・中略・・ 一時期は、4部練(1日に4回練習する)をやって、その前後、朝に10キロ走って、夜に10キロを走っていたことがある。もちろん、完全にカラダに異常をきたしていた。
その頃は、汗が出ると皮膚が汗に反応してめちゃめちゃボツボツになった。それで皮膚が汗にアレルギー反応を起こすようなことがあって、ストレスで帯状疱疹が出てきたりもしたし、全身から汗が噴き出ると、カラダ中がかゆくなったりもした。
ただ、それを大変だと言っていたら職業的に成り立たないし、自分からすると、そういう経験を一度もせずに強くなった選手がいるのだろうか、と思う。”(p227-228)
プロを志すに抱いていた覚悟を貫いてきた礎があっての現在地。本書出版時の年齢33、
” 年齢的には40歳までは現役を続けたいと思っている。”(p228)
と、国境に縛られない世界基準のMMAファイターとしてどれだけ燦然としたキャリアを積み増せるか、読書を通じ今後への興味を増幅させられました。