一昨日から読み始めた橘玲さんの『知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語』が半分近くのところまできたので、中間記。
本書を手に取ったキッカケは、橘玲さんがマイブームとなっている状況下、
『お金持ちになるため黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』読了後、
>> 橘玲さんに学ぶ、超高齢化社会を生き抜くために採るべき唯一の戦略:『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ』読了 <<
「次は何にしようかな・・」と、amazonの読者レヴューで・・
“これまで著者が主張してきたことを簡単にした、要約版です。”
といった内容を複数見掛け、(電子書籍)値段も500円に満たず、お手頃と購入。
サブタイトルにある通り、40の物語が収録されていて、24を読み終えましたが、以下で印象に残ったところを。
日本人の人生再構築に直面した時代と希望
” 高度成長期には、日本国や大企業にリスクはないと考えられてきた。ごく普通のサラリーマンでも、
給料と年金という絶対確実なふたつの資産を担保に、マイホームという名のハイリスクな不動産投資をすることが可能だった。
日本人の人生設計の基本型は、三十代でマイホームを購入し、定年まで住宅ローンを完済し、
退職金と年金を原資に悠々自適の老後を送るというものだった。
ほとんどの経済的な問題は、マイホームの含み益によって解決することができた。
だがこの十数年で、すべての前提が忽然と消滅してしまったのである。
こうして多くの日本人が、人生設計の再構築を迫られることになった。 ・・中略・・
しかし、この事態をいらずらに悲観する必要はない。
目の前に未知の大海原が広がっているからこそ、冒険が生まれる。
時代の大きな変化は、私たちに新たな可能性を与えてくれる。 ・・中略・・
幸いなことに、日本はいまでも世界でもっとも豊かな国の一つであり、この国に生まれた幸運を活かせば、
自分と家族のささやかな幸福を実現することは、それほど難しくはない。
必要なのはほんの少しの努力と工夫、自らの人生を自らの手で設計する基礎的な知識と技術だ。” (3%)
「希望」の正体
” 二十一世紀を迎え、時代は大きく動き、将来はますます予測不可能になっている。
私たちは破滅の予感に怯え、見知らぬ世界を恐れている。
だが未知の海への航海は、目の前に続く、安全だけれども単調な一本の道を歩むよりも、ずっと魅力的ではないだろうか?
人生の設計とは、冒険のための海図とコンパスを準備することだ。核シェルターの中で恐怖の大王の到来を待つことではない。
未来への言いしれぬ不安。それを人は「希望」と呼ぶ。” (14%)
依存に潜む危うさ
” 経済的な基盤がなければ、人は自由には生きられない。こんな単純なことに気づくまでに、ずいぶんと回り道をした。
そして、自分の人生がいかに多くのものに依存しているかを知って慄然とした。
会社が倒産しても、あなたはまだ自由だろうか。
年金制度が破綻しても、豊かな老後が約束されているだろうか。” (10%)
自由が交差する社会
” 人は誰でも、ある種の生き難さを抱えている。
それは、家族との確執や職場での鬱屈だったり、異性への実らぬ思いだったりする。
私たちは、「自由」な社会に生きている。だがそこで、すべての欲望が満たされるわけではない。
社会は、あなたの自由にならない多くの他者によって構成されている。
当たり前だが、他者もまた自由に生きる権利を持っており、あなたはその権利を侵害することができない。
人を好きなように操れるなら、すべての願いは叶うだろう。
だが、現実には、社会の中の無数の自由を共存させるために、ほとんどの欲望はあらかじめ禁じられているのだ。
私たちは往々にして、この生き難さを他に転嫁しようとする。” (15-16%)
サバイバル=ミリオネアな老後?!
” 今の日本では、高齢者が満足な職を得るのは難しい。年を経るごとに人生の選択肢は狭まっていく。
年金だけを生活の支えにする人にとって、それを奪われることほど恐ろしいことはない。
そこで不安産業のセールスマンは言う。
日本人の平均寿命はまだ延びています。医療費だって馬鹿にはなりません。
将来のインフレも考えれば、安心して老後を過ごすには、少なくとも一億円の貯蓄が必要です。
どうです?ちゃんと準備できてますか?もちろん、準備などできているはずはない。
そこで業者の提案する高利回り商品にすがり、
大損したり、有り金をすべて巻き上げられたりするのだ。
そもそも生涯年収が三億円程度しかないサラリーマンが、退職時に一億円の資産を築くことは不可能にちかい。
不可能を可能にするには、博奕で勝負するしかない。
たいての博奕は、素人が身ぐるみはがされることになっている。
百万ドル(約一億円)の資産があれば、世界中のどこの国でも富豪の仲間入りができる。
日本はもうすぐ、ミリオネアでなければ生きていけない国になるらしい。
人々がふたたび年金制度を信頼するまで、この荒唐無稽な法螺話が効力を失うことはないだろう。
不安ビジネスの黄金時代はまだまだ続くのだ。” (24%)
己を俯瞰し、時代を視て、対応する力
と、読んだところの半分くらいで、結構な文字量となってしまいました。
本書で橘(さん)本、3冊目で、当たり前の事ながら
今の時代を生き抜く事への橘さんからのメッセージが一貫していて、理解度が深化していく感じを得られます。
時代認識とスキル、未知なる未来を切り拓くための両輪ですね。