今朝、目を通したアルマクリエイションズ(=神田昌典さんの会社)のニュースレターから。
ヒットはその場の閃きから生まれる
名前だけは知っている海外ドラマ「LOST」。数々の賞を受賞しているようですが
脚本家でプロデューサーでもあるJ・J・エイブラムスは映画の撮影方法について・・
『(LOST制作時)悪ノリして、ストーリーは自由に作り合った』
『即興性を大事にしたい』
『その場で感じる「これだ!」と思った事を実行するのが好き』
『結果がどうであれ、とにかく信じる事が大事。その信頼の根拠は「体の底から感じるゾクゾク感」です』
同様の話し、ビートたけしでお馴染み北野武監督や三谷幸喜監督も現場で台本を覆し、その場での閃きから最終カットを決定しいた話しを聞いた事があります。
三谷幸喜さんの出世作「やっぱり猫が好き」は、台本なんだかアドリヴ(その場のノリ)なんだか分からぬ不思議な感じが印象に残ってますが、今にして思えば三谷ワールドの原型ですね。
ヒットの要は台本
方やドラマの話しになりますが、「渡る世間は鬼ばかり」等でお馴染み、橋田壽賀子さんのように台本の文言一字一句変えてはならぬという人も居て、
「LOST」は作品を見ていないので断言出来ませんが、「LOST」ならではの明確なコンセプトは貫かれていての大ヒットであったと推察します。
現場のノリに任せても、台本に忠実でも、土台がしっかりしていれば、何れのアプローチでもヒット作は生まれていますね。
譲れぬ事、こだわりの世界
もっとも北野武監督は、頭の中に明確なイメージが出来ていて、役者さんから「こここうした方が良いのでは」等の助言があった場合、
以降、その役者さんは使わない一途さもお持ちとの事。北野作品のフィルモグラフィーが増えると共に
キャストの固定化が進んでいる(ように見られる)様子は、監督の意図を汲み取った人たちが脇を固め
現場の一体感が生まれ、北野監督の世界観が精度を増して映像化されている背景がうかがわれます。
直近作の「アウトレイジ・ビヨンド」は、確か北野作品最大のヒット作であったかと。
一流は、こわだる(イメージに忠実)
黒澤明監督もOKを出すまで、一切の妥協を排した姿勢・・
- 家族の人数に合わせて、写す事のない箪笥の中にまでリアリティを求めた話し
- 空に浮かぶ雲のイメージが合うまで撮影を延期した話しなど
・・は、つとに有名です。
変えて良い事と、変えてはならぬ事。
その人だからこその「こだわり」、クリエイティヴ(映画に限らず、音楽、デザインetc)を見る時の醍醐味ですね。