藤村正憲さんの『さあ、あなたも「世界一住みたい国」で幸せに暮らす計画を立ててみよう!』を読了。
先週読了した『国際自由人』に続いての海外投資コンサルタント藤村さんの著作。
本書は『国際自由人』で語られていた海外から、対象を(当時)藤村さんが居住されていたマレーシア(現在はオランダに移住された模様)に絞った内容を中心に構成。
住みたい国ナンバーワンの魅力
マレーシアは、一般財団法人ロングステイ財団の調査で、7年連続「ロングステイしたい国」ナンバーワンを獲得。
急成長を遂げているアジア経済を牽引する立場はシンガポールとなりますが、マレーシアは・・
” マレーシアの物価は、ものによって違いますが、およそ日本の2分の1から3分の1。
ところがシンガポールは、日本とほぼ同じか、日本以上に高いものも少なくありません。
特にシンガポールは、国土が東京23区に匹敵するくらいの狭さのため、住居費は東京並みか、それ以上に高いのです。”(p30)
気候、環境面では・・
” マレーシアに移住した多くの方と話をすると、まず「アジアは暑い」というイメージが覆されたと、よく聞きます。
マレーシアの日中の平均気温は27〜33℃。赤道直下で気候が安定しているため、
近年の日本のように、真夏の気温が体温を超える、38度以上になり、外出するのが恐ろしいということはまずありません。
・・中略・・
また移住した理由の一つに、東日本大震災を経験、地震や台風などの自然災害の怖さを実感し、活断層と火山がなく、
地震がほとんど発生しない、という理由でマレーシアを選んだという人も少なくありません。
またマレーシア付近では台風は発生せず、雨期でも極端な大雨は降らないため、洪水などの心配もありません。”(p30-31)
その他、政情面での安定さであったり、親日国としての横顔であったり。
更に英語で受けられる教育の費用対効果の高さが指摘されていて
” マレーシアの公立大学の学費は、年間約3,000米ドル。私立の場合は年間約6,000米ドル。
これは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、そしてシンガポールと比べても公立で5分の1から6分の1になります。
また、マレーシアでの年間の生活費は、贅沢をしなければ、5,000米ドルもあれば十分。
これも欧米やシンガポールと比べ、半分から3分の1に抑えることができるのです。” (p36-37)
様々なメリットを統合して、住民の立場であった著者の藤村さんは
” 「やるべきこと」ではない「やりたいこと」が見つかる、それが、皆がマレーシア暮らしに引きつけられる理由の一つのなのでしょう。”(p40)
と評価。それらを平たくマレーシア生活の恩恵を例えると
” プール付きの邸宅に住み、お手伝いさんを頼んで家事はお願いする。週末は自然に触れて気分転換し、月に1回は海外旅行。
そんな夢のような生活が、マレーシアなら、大卒の初任給で叶えられるということを、あなたは知っていましたか? ” (p48)
とイメージ膨らむ形で表現。
狙いはジョホール・バル
マレーシアというと一般的には首都のクアラルンプールをイメージしがちですが、
藤村さんが薦めておられるのは、アジアの高水準シンガポールと陸続きのジョホール・バル。そこは・・
” シンガポールのチャンギ空港や、メインストリートのオーチャード通りから車で40分。
隣の街にいく感覚で国境が越えられ、実際、毎日13万人以上が、この国境を往来しています。
ジョホール・バルは、日本以上に生活費の高いシンガポールと違い、物価は3分の1から2分の1。
生活コストを抑えながら、シンガポールのメリットを享受することができます。
またアジアの発展を牽引するであろう、シンガポールに隣接しているということは、
その成長の恩恵にあずかるチャンスが大きいいということ。
シンガポールの着実な発展に伴い、ジョホール・バルも成長していくと予想できます。” (p63-64)
海外生活という選択肢を持つための・・
というような具合で、他にも金利面の魅力、ビザ、海外(マレーシア)で働くということなど
様々、ジョホール・バルを中心に、その魅力が語られています。
マレーシア、ジョホール・バルの評価については、個人で合う合わないなどの個人差は当然あるものと、
それこそお試し(よく言われるのは2週間程度)などを実施される際に、本書をガイドブック的に使うことも出来ると思います。
私を含め広く海外生活に選択肢を持ちたいという人にとっては、仮にマレーシアへの感度低い場合でも、
経験者の立場から「海外に出る」ということに一冊の分量が割かれ、興味深く読み進められる内容と思います。