一ヶ月弱振りで吉田松陰。前回で完了した『覚悟の磨き方 超訳吉田松陰』の「知 WISDOM」に続いては・・
「友 FELLOW」編。その中に掲載されている23句の中から、心に響いた3つを選んでみます。
の前に、章の頭書きがあり
” 自分が先頭を切る
まずは自分から熱くなること。自分から動き出すこと。
その姿を見て、冷ややかになったり、離れていったりする人もいるだろう。
だが同時にその想いを受け止めて、一緒に熱くなってくれる人も必ず現れる。表裏一体。
誰かにとって否定的なことは、誰かにとって肯定的なことでもある。
だから自信をもって好きなことは好き、嫌いなものは嫌いだとい言えばいい。
そうすれば、まわりの人間が入れ替わって、新しい友が次々と加わり、「事を成し遂げる空気」が生まれるはずである。
・・中略・・
松陰は人を信じやすく、誰よりも優しかった。また誰よりもずばぬけて熱くなりやすかった。
その熱さに本気で付き合える人だけが、吉田松陰にとっての友であり続けることができた。
人生で会わなくなった友がいても、それで絆が切れてしまうわけではない。
本音をぶつけ合った者同士、その志はいつまでも心の中でつながっているものだ。
松陰は志半ばで命を落とした。だがその志を受け、明治維新はまさにおこった。”(p196-197)
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145 集団の中で生きる
” 清廉。どんな人といても、自分を失わない。協調。どんな人といても、その人に調子を合わせて楽しめる。
この清廉と協調というのは、バランスが難しいものです。
清廉でいようとすれば、世界が広がらないし、協調ばかりしていると、自分を見失いやすい。
どっちがいいのでしょうか。正解はありません。
もしなにかを学ぼうとするなら、清廉でも協調でも、自分の生き方に近い人物や本から学べばいいと思います。
ただめざしてほしいのは、他人の考えを尊重し認めながらも、自分の考えは周囲に流されず、はっきりと述べることができる、そういう生き方です。
そういう生き方ができれば、そこが今あなたにとって、居心地の悪い場所だったとしても、
やがて心ある人物を味方につけることができるはずです。”(p200-201)
146 力が目覚めるとき
” 自分の中に眠り、まだ日の目を見ない人望と才能。それを引き出してくれるのは、
ほぼ例外なく自分の仲間になる人か、自分の師匠にあたる人物です。
だからこそ品格が高い人ほど、「誰と付き合うか」をいつも真剣に考え、厳しく選んでいるんです。”(p202)
149 やさしさとはなにか
” もっと他人にやさしくしたいなら、自分のことをもっとよく知ればいいのです。
自分の中にあるものを認めれば認めるほど
他人の中にあるものを、もっと大切に扱えるようになることでしょう。”(p205)
進化とともに変わりゆく人間関係
インターネット、SNSの普及で友達の定義が拡大していますが、ダンバー数の概念では、
1人の人間が親しくつながっている事が出来る数が50〜150名程度としています。
橘玲さんが定義する「愛情空間」では
” 私たちが生きていくうえでもっとも大事なものは、家族や恋人などとの関係(愛情空間)だ。 ・・中略・・
愛情空間は、二人から一〇人ほどの小さな人間関係で、半径一〇メートルくらいで収まってしまう。
ところがこの小さな世界が、人生の価値の大半を占めている。”
また、人間関係の変遷については、図書館蔵書で手に取ったジョン・ディマティーニ博士の著書 ↓で言及されていて
” ときとして人は、自分の夢を追い求めると、自分の大切な友人を失ってしまうのではないかと恐れます。
しかし、小学校からの友人関係をつづけている人がどれくらいいるでしょうか?ほとんどいないでしょう。
同じように、高校や大学の友人はどうでしょう?昔の職場の人はどうでしょう?おそらく、ほとんどいないのではないでしょうか。
つまり、あなたの人生を通して、人間関係は変わりつづけるのです。
ですから、人間関係の変化を心配しないでください。ただ、あなたが成長していくことを許可するのです。”(p169)
誰しも、これらの領域に手を入れる/手が加わるのは、(失う事に対する)恐れを抱く事と思いますが、
自分自身が進化していく過程で、愛情空間内の顔ぶれ、満たされ方も変わってくるという解釈。
確かに「捨てる神あれば、拾う神あり」といった具合で、別れの後に出会いが訪れるといった経験は誰しもにあるものと。
人によって人間関係をコントロール出来る器が150名までであったり、10名程度であったり等の差異はあるものと思いますが、
「中心的な人間関係が変わる=人生が変わる」
という事なのでしょう。かの大前研一さんの有名な言葉の
” 人生を変える方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を 変える。3番目は付き合う人を変える。”
に関連付けられる内容で、様々な立場の人が表現を変えて説明している点が興味深いです。
さて、吉田松陰語録「友 FELLOW」編、残り16あるので、続きを次回に。