オーストラリアを日豪関係に40年以上携わる田中豊裕さんに学ぶ一冊「交通網、カンタス航空」:『豪州読本:オーストラリアをまるごと読む』おさらい ⑨

『豪州読本:オーストラリアをまるごと読む』のおさらいの9回目。

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今回は、第六章 「大陸は、広〜い」の中の

  1. 車と飛行機の社会
  2. 交通手段の歴史

からのまとめです。

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オーストラリア全土を結ぶ交通網

” オーストラリアは基本的に車と飛行機の社会である。道路網はよく整備されている。

高速道路というのはあまりないが、州都から郊外、飛行場、港などに通じる道路などに見られる。

州都間はハイウエーが整備されているが、アスファルト道路が主である。

しかし、日本のように通行料が要るところはほとんどなく、フリーウエーである。

都市における公共の乗り物は鉄道、バス、郊外電車が主役で、1861年に初めて馬車に引かれた路面電車がアデレードで走った。

その後電気路面電車が各州都で走ったが、自動車の発達とともに、日本と大体同じ時期に廃止された。

いまではメルボルン、シドニーとアデレードで走っているだけである。

ただ、アデレードとシドニー路面電車は、東京に残っている荒川線のようなもので、ほんの一部の区間だけである。

メルボルンでは現存する世界最大の路面電車網が、都市を縦横に走っており、市民の主要な足となっている。

モノレールなどの新交通システムは、シドニーにあるが他の都市には存在しない。

地下鉄はシドニーにあるだけである。今後、シドニーでの地下鉄の延長が予定されている。

また、ブリスベンに初めての地下鉄が、新規に敷設されることになった。

ルートはゴールド・コーストの南から、ブリスベンの中心街を通り北の郊外までで、2012年から工事が開始され、2020年頃から順次供用される予定である。

アデレードのユニークな交通システム

アデレードにはユニークなオーバンシステムというバスが都心から郊外に走っている。

これは基本的にバスなのだが、車両の両サイドにローラーが付いていて都心を出れば、コンクリートでできた軌道を走るシステムである。

他の道路と交差することがないので時速100km以上で走ることができる。

・・中略・・

最近日本では電気タクシーが初めて導入され話題になっているが、南オーストラリア、アデレードでは、世界で初めて100%ソーラー電気で運行する市バスが走っている。

愛称は、「ティンド」でアボリジニー語で「太陽」という意味である。

二酸化炭素の排出ゼロ、エンジン音や振動はほとんどない。静かで、スムーズでクリーンな公共交通手段である。”(位置No.2210-2237/数値は電子書籍のページ数)

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オーストラリアの空を結ぶカンタス航空

アメリカのライト兄弟が世界で初めて飛行機を開発、1903年に空を飛んだ。世界の交通手段として、海、陸に加え、空が俄然注目されるようになった。

特に、オーストラリア大陸の茫漠とした広大さを克服する効果的な手段として、飛行機の果たした役割は大変大きい。

この国における民間航空サービスの歴史は、カンガルーのシンボルでよく知られているカンタス航空の歴史と言っても過言でない。

1920年11月16日ブリスベンにてカンタス航空(Queensland And Northern Territory Aerial Services Ltd ー 頭文字を取ってQANTAS)が登記された。

英語圏では最初で、世界で2番目の航空会社の誕生となった。今日、カンタス航空は、216機の飛行機で世界の38ヵ国、141の都市に乗り入れ、年間3,600万人の乗客を運んでいる。

オーストラリアが世界の都市から離れているという地理的背景から、平均飛行区間距離は約5,000kmになり、世界の全航空会社の中で最長で、機長の平均飛行距離も最長である。

カンタス航空に乗れば安心感がある。安全第一が徹底している。整備上少しでも疑問、不備があれば運行させない。

チェックリストが100%満たされなければ飛ばさないという徹底した安全に対する方針がある。このために、カンタス航空の便はよく遅れたり、キャンセルになったりする。

こんな時は、乗客に大きな不都合が生じ不満が募る。しかし、オーストラリアの乗客は、日本の乗客よりずっと寛容である。

オーストラリアには、460以上の空港が全国に存在する。そのうち322の空港は、滑走路が舗装されているが、140ヵ所の空港は舗装されていない。

しかし空港の数の多さは、日本の面積の20倍以上もあるこの広大な国で果たす飛行機の重要さを物語っている。

ちなみに日本の空港は98ヵ所あって、最後に開港したのは2010年(平成22)年3月の茨城空港である。”(No.2264-2282)

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QANTAS.-

日本とオーストラリアが迎える新時代の予感

海外の空港で、日本航空(JAL)の機体を見付けて、日本人としてのアイデンティティを刺激される感覚を覚えますが

尾翼にカンガルーがデザインされたカンタス航空の機体を見付けると、

それが(オーストラリア)国内であればオーストラリアに来た実感。国外であった場合、オーストラリアへの思いが及んだり、

多分にオーストラリアのイメージが込められた対象として見ています。

航空路線全般で見ると、今年(2015年)8月以降、カンタス航空及び全日空の羽田ーシドニー便の就航や

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全日本空輸:羽田=シドニー便の就航のお知らせ(画像は記事にリンク)

カンタス航空の成田ーブリスベン便の復活など、

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出典:Digital PR Platform(羽田=シドニー便、成田=ブリスベン便就航のお知らせ/ 画像は記事にリンク)

距離が縮まる動きが相次いだので、自由貿易協定(FTA)/経済連携協定(EPA)TPP(環太平洋パートナーシップ)大筋合意の動きと合わせて、新時代を迎える胎動を感じます。

 


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