高城剛著『サバイバル時代の海外旅行術』を読了。
レシートを確認すると11月下旬の購入。中古書店で、移動時の暇つぶしを物色していた際に手に取った一冊で、
その移動時も冒頭部分だけ読んで以後、積読本と化していたところ年明け手持ちの本が切れ、読書を再開した次第。
要は本に対する期待値が低かったということですが、途中から面白くなり、内容に引き込まれていきました。
高城スタイルの海外旅行術の招待状
本は世界中を旅している高城剛さんの旅論及び実践編の紹介。高城剛さんが定義する旅は、本の最後で・・
” 個々人の目指すゴールの一つは、生活を豊かにする、日々を楽しく過ごすことだと思います。それは人生の「質」を高めることを意味します。
そのためのコミュニケーション能力や経験値の向上、危機管理能力があり、それらを試され、同時に向上させるきっかけとなるのが、まさに旅なのです。
したがって、旅の達人になるということは、人生の達人になることを意味するのです。”(p169)
また、
” ブログが花開く21世紀の新しいメディア社会は、いわば自らをメディア化することが、次へとつながる最良の道でもあるのだと思います。・・中略・・
個人はいつでもどこでも動ける時代です。次の時代を生き抜くために、巨大組織がすぐにできないことを、個人がやればいいのです。”(p169)
という時代背景を踏まえ、高城さんご自身のご経験から旅の醍醐味を人生論と絡めて、本の序盤で
” 本書が掲げる最終的な目標は、「海外へ出て、自分の目で世界を見る」ということです。”(p9)
と目的地を定め、旅の質を高めるべくの高城流「旅」のアテンドが展開されて行っています。
旅途上国?日本
まず、旅に出ることに関して日本人が海外に出ていない現状であったり、国内で刊行されているガイドブックで提供されている情報が、広告主の意向を汲み大幅に制限されている状況を指摘し、
海外で出版されているガイドブックのクオリティの高さや世界各国の現状に対する情報の確かさで、アメリカの諜報機関CIAのサイト「The World Factbook」(英語)が秀でている点が紹介。
また、実践編ではホテルで現地向けの地図を入手したり、自分でラフに手書きすることの重要性(p98〜)や日没時間の確認(p104〜)であったり、
何より、旅の目的を「10のやりたいこと」(p106〜)という形で事前に整理しておくことの重要性が説かれています。
本では「(女優の)ケイト・モスに会う」といった、えっ?なんて思う仮題をもとに
こうすれば実は案外出来ちゃうかも?と、Googleなどの検索エンジンを駆使することで思わぬ成果が得られるかもしれない技についても共有されています。
旅の質を高める推奨ギア
中盤から後半にかけては、携帯電話対策( p116〜)、ライフラインとしての電子辞書(p140)に始まり、様々、旅を助けるギアが紹介されています。
本をひっくり返して刊行時期に目をやると2009年8月であるため、時間の経過から自分で本書の情報を更新するなどの作業は必要はあるものと見られますが、
テクノロジーの進化から本書で書かれている時よりも便利な世の中になっているでしょう。
これまで何となく我流で身に付けてきた旅のスタイルに、本書を通じて、
世界を隅々にまで、その中であらゆる状況を経験し尽くしていると思わしき高城剛さんの経験値が加えられることによって、次の旅に対してワクワクする方が多いのでは、と思われます。